ハイドンの交響曲も20番台となると、交響曲作家として成長感著しい構築的で大規模な構え、疾風怒濤期特有な感情表現といろいろ新しい要素を持った作品が続きましたが、この27番はどちらかというと初期のスタイルに戻った感じがする作品です(おそらく初期の作品ではあるんでしょう)。伸びやかな第1楽章、シチリアーノ・スタイルで作られた第2楽章、お決まりのフィナーレとなる第3楽章と、それぞれ緩急をきっちりとつけ、シンプルかつバランス良く全3楽章をまとめた、コンパクトな交響曲(演奏時間約13分半)という感じで、あまり深みのようなものはありませんが、初期型ハイドンの個性が良くでた軽快でスマートな作品という感じがします。
まぁ、そうした意味で、この曲の場合それ自体の個性より、全編に渡って汎古典的なスタイルで塗りつぶされた曲....という感がなくもないですが、唯一、個性的といえるのはシチリアーノで作られた第2楽章ということななるんでしょうか。シチリアーノといえばイタリアの舞曲で、かのレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲の第3曲とか、フォーレの同曲といった、どちらかといえば回顧趣味的なセンスで後年作られた作品の方が有名だったりもしますが、短調で独特な静謐なムードを持つ舞曲という趣がこの楽章の場合、あまりデフォルメて強調されておらず、普通な感じが逆に同時代的というかリアルタイムな鮮度感のようなものを感じさせます。という訳で、この27番のニックネームは、第2楽章にあやかって単純に「シチリアーノ」としました。
まぁ、そうした意味で、この曲の場合それ自体の個性より、全編に渡って汎古典的なスタイルで塗りつぶされた曲....という感がなくもないですが、唯一、個性的といえるのはシチリアーノで作られた第2楽章ということななるんでしょうか。シチリアーノといえばイタリアの舞曲で、かのレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲の第3曲とか、フォーレの同曲といった、どちらかといえば回顧趣味的なセンスで後年作られた作品の方が有名だったりもしますが、短調で独特な静謐なムードを持つ舞曲という趣がこの楽章の場合、あまりデフォルメて強調されておらず、普通な感じが逆に同時代的というかリアルタイムな鮮度感のようなものを感じさせます。という訳で、この27番のニックネームは、第2楽章にあやかって単純に「シチリアーノ」としました。
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