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バッハ 無伴奏チェロ組曲/藤原真理

2009年11月22日 11時13分52秒 | クラシック(一般)
 半年くらい前、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を何種類かの演奏で集中的に聴き込んでいた頃に、無伴奏ヴァイオリンの次は当然チェロの方....とばかりに購入しておいたもの(他のシュタルケルのSACD、あとリン・ハレルのものも購入してあった)。バッハ作品の目録番号(BWV)ではヴァイオリンの方にナンバリングされているので、たぶん同じ頃作曲されたのだと思う。全6曲のセットというのをバッハは好んだようだけれど、このあたりの作品としての量感、無伴奏というストイックなスタイルなどなど、ヴァイオリンの方と共通した佇まいである。もっとも命名されているタイトルがヴァイオリンの方はソナタとパルティータに対して、こちらは組曲となっていてその由来がどこから来ているのか、浅学の私にはよくわからない。

 実際に聴いてみると、やはりチェロという低い音域の楽器ゆえなのだろう。同じ無伴奏とはいえ、ヴァイオリンの時のような孤立無援的な緊張感は-表向き-それほど強くなく、非常にゆったりとして「和む音楽」に聴こえる。こんなこといったら詳しい人に怒られるかもかもしれないけれど、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」と「無伴奏チェロ組曲」って、実質的な音楽内容はけっこう似たようなものなのだろうと思う。ただ、こちらはヴァイオリンのようなシャープな美しさにかわって、やはりチェロ特有な低音の安定感をベースにして、時にちょっとユーモラスだったり、鈍重だったりするチェロの音色やフレーズか表に出てきている分、圧倒的に耳障りがいいのが特徴だと思う。例えばちと高級な芸術イベントの会場でBGM的な音響として使うなら、おそらくこの曲は最高度にその機能すると思う(そういう場所で「無伴奏ヴァイオリン」の方をBGMに使ったら、おそらく音的に客の注意を引きすぎてだめだ-笑)。

 全6曲(聴くにの約2時間かかる)をBGM的に一通りきいてみたが、前述のとおりどれもゆったりとして楽に聴き通せる。2番と5番が短調になっていてこれがいいアクセントになっていているのもいい。5番の方は「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ」の2番みたいな荘重な雰囲気があるし、6番はおなじくパルティータの3番風な明るさ、リズミカルさがあり(他と違い高い音域をつかっているようにきこえる)、これもけっこう印象的だった。
 ともあれ、今は三連休のど真ん中、関東的でもそろそろ暖房入れないと過ごせない気候になってきたが、ちと生暖かい部屋でリラックスしたBGMとして使うのはいい音楽だ。買い込んである他の演奏も聴かなければなぁ....。

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