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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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高木彬光/刺青殺人事件(初稿版)

2006年12月15日 09時51分25秒 | Books
 初稿版です。今さっき読み終えたところですが、印象としてはいまひとつ、個人的な印象としては改稿版の方が圧倒的に良いです。もう少しプロットというか骨格のみをぐいぐい押していくようなスリムな気迫のようなものを期待していたのですが、デビュー作なせいか文章がとにかく生硬だし、人物のキャラの描き訳が上手に表現できてないせいか、口調がみなぬっぺりと平板で、時にだれがしゃべっているかよくわからないところもでてきたりするくらいで、読んでいてちと辛かったです。

 なるほど作者が改稿するのもよくわかるという感じでしょうか。ちなみに改稿された部分というのは、昨日、戦後動乱期の風俗小説として読むと楽しいみたいに書いた部分がだいたいそれで、こういう味付けも探偵小説の場合、舞台装置として重要だということがよくわかりました。あとどっちの版でも、メイントリックはともかく、途中まで読むと犯人ってだいたいわかってしまいますよね。初めて読んだ時はどうだったんだろうか、まぁ、コイツ怪しいなと思っても、じゃぁ、どうやって仕組んだのといわれると、ハタと困り果てる....というあたりが、この探偵小説のおもしろさなのかもしれませんが....。
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