80年代の一世を風靡したシンセサイザーにヤマハのDX-7というものがあった。それまでのアナログで音作りをするのではなく、デジタルで合成や処理を行うという原理がまず画期的だったし、サウンドもやや軽目のキラキラした明るい音がが特徴だったと思う。僕はその頃、ろくに弾けもしないシンセをけっこう買い込んで、主に打ち込み用途で使ったりもしていたのだが、その頃はそれこそ「猫も杓子もDX-7」という感じで、ポップ系やフュージョン系ではもううんざりするかの楽器の音が蔓延していた。
このアルバムはそのDX-7系の音をメインにすえ、ドラム・マシーンやシーケンス・パターンなどを用いないで、各種シンセサイザーの音のみを積み重ねて作ったクリスマス・アルバムだ。選曲されたのは主に聖歌系のクリスマスで、5つの組曲と16に単独曲の計21曲で構成されていて、この手のクリスマス・ミュージックに限っていえば、有名どころはほとんど網羅されているんじゃないかと思うほど沢山の曲が入っている。超有名どころを集めた5つの組曲あたりならともかく、単独曲となると正直いって私など知らない曲も多く、むしろこのアルバムで曲に馴染んだようなものもけっこうあったりするのだが、デジタル・シンセ特有のクリアで明るい、キラキラした音とクリスマス・ミュージックは妙に会っているし、ドラム系の音を全く使っていないことから、妙にデモっぽい手作り感のようなものが漂っていて、これがまた逆にいいムードを醸し出している。「現代に蘇ったディケンズ的クリスマスの風景」などというと褒めすぎだけれど、個人的には好きなアルバムだ。
このアルバムはそのDX-7系の音をメインにすえ、ドラム・マシーンやシーケンス・パターンなどを用いないで、各種シンセサイザーの音のみを積み重ねて作ったクリスマス・アルバムだ。選曲されたのは主に聖歌系のクリスマスで、5つの組曲と16に単独曲の計21曲で構成されていて、この手のクリスマス・ミュージックに限っていえば、有名どころはほとんど網羅されているんじゃないかと思うほど沢山の曲が入っている。超有名どころを集めた5つの組曲あたりならともかく、単独曲となると正直いって私など知らない曲も多く、むしろこのアルバムで曲に馴染んだようなものもけっこうあったりするのだが、デジタル・シンセ特有のクリアで明るい、キラキラした音とクリスマス・ミュージックは妙に会っているし、ドラム系の音を全く使っていないことから、妙にデモっぽい手作り感のようなものが漂っていて、これがまた逆にいいムードを醸し出している。「現代に蘇ったディケンズ的クリスマスの風景」などというと褒めすぎだけれど、個人的には好きなアルバムだ。