先日、入手した高木彬光の「刺青殺人事件」の初稿版をそろそろ読もうかなと思っていたところ、某中古ショップで現行版をみつけたので購入してきました。昭和23年に発表されて当時の探偵小説界に衝撃を与えた、密室殺人をメインにした本格探偵小説です(当時はこういう密室殺人みたいなものを扱う探偵小説は日本にあまりなかった)。これもおそらく四読、五読目くらいでしょうが、ずいぶんながいこと読んでいなかったせいか、トリックそのものはさすがに覚えてますが、犯人の名前とかはすっかり忘れていて、けっこう新鮮に読めてます。
おもしろかったのは、胴体のない死体が発見される、密室状態の殺害現場となった風呂場とか最初読んだ頃の頭で描いた視覚的イメージだと、ずいぶん古色蒼然とした場所だと記憶していたんですが、今読むとけっこう近代的な風呂場だったことがわかったりして、ミドルティーンの頃にすり込まれた記憶とのズレみたいなものを楽しんでます。あと、これは解説にもありますが、特に前半は戦争直後の動乱期を捉えた風俗小説として読むとけっこうおもしろいですね。おそらくこのあたりが改稿の際に補強されたところなんでしょうね。初稿を読むのが楽しみです。
おもしろかったのは、胴体のない死体が発見される、密室状態の殺害現場となった風呂場とか最初読んだ頃の頭で描いた視覚的イメージだと、ずいぶん古色蒼然とした場所だと記憶していたんですが、今読むとけっこう近代的な風呂場だったことがわかったりして、ミドルティーンの頃にすり込まれた記憶とのズレみたいなものを楽しんでます。あと、これは解説にもありますが、特に前半は戦争直後の動乱期を捉えた風俗小説として読むとけっこうおもしろいですね。おそらくこのあたりが改稿の際に補強されたところなんでしょうね。初稿を読むのが楽しみです。