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すぎやまこういち/ドラゴンクエストVIII (OST)

2006年03月31日 23時48分38秒 | サウンドトラック
こちらは先ほど届いた「ドラゴンクエストVIII -空と海と大地と呪われし姫君-」のサントラ盤。今回のゲームは前作にあたるPS2版「ドラゴンクエストV」とは異なり音楽は、ほぼ全編PS2の内蔵音源を使ったものが使用されていたから、このサントラも当然の如く生オケではなくて、内蔵音源の音、つまりシンセ・サウンドになっている。ライナーを読むと、作曲者であるすぎやまこういち氏はこの作品でもって「PS2の音源のスペックをフルに引き出した」旨のことを主張しており、確かにたかだか2万円くらいのゲーム機に内蔵された音源とは思えない充実したサウンドだ。

 それにしてもPS2の内蔵音源というのは、一体どのくらいのスペックのものなのだろうか。音源そのものはもおそらく波形を合成していく、いわゆる昔ながらのシンセサイザーではなく、各種生音が基になったサンプリング音源と思われるが、バスドラの音圧とか、トライアングルなど各種金物の高域や残留ノイズからして、それほど高い周波数、ビットレートで収録されたものとも思えないが、このサントラを聴いても、アコピ、エレピ、教会オルガン、弦、金管、パッド&ヴォイス系、各種パーカスなどの音が登場することから、かなりバリエーションに富んだ音色がプリセットされていることは確かで、各種リバーブによる残響処理も入っていることから、空間系のエフェクターも何系統か搭載されているような気がする。

 ともあれバカに出来ない音源が入っている訳だ。2年ほど前「真・女神転生」のサントラを聴いた時も、内蔵音源とは思えないクウォリティーにけっこう驚いた覚えがあるけれど、「真・女神転生」の方がいわゆるロック・サウンドだったのに比べると、こちらはほぼ生オケのシミュレーションな訳で、いくら高性能といえどもローランドのSC88にすら負けるような音源一台で、ここまでやるには、かなり緻密なアレンジとブログラミングがされたのだろう。生オケに匹敵するとはいえないが、その箱庭風にカラフルでサウンドは、むしろゲームの世界に相応しいような仕上がりで、すぎやまこういち氏が胸を張って、オーケストラ版に先立ってリリースしたのも納得できる仕上がりである。

 さて音楽だが、なにしろ先週までやっていたゲームなので、どの曲も記憶は鮮明。ゲームの世界を回顧するにはこれ以上のソースはない。曲としては「この想いを」の哀しげな旋律、ミーティア姫のテーマともいえる「つらい時を乗り越えて」の気高いムード、「海の記憶」の幻想味、「対話」で甦るはつらつとした街の風景、バルトーク風な「闇の遺跡」あたりが良かったが、あと、なにしろよかったのはラストバトルの音楽である「大空に戦う」、「おおぞらをまう」の音楽をベースにバルトーク風なオーケスレーションした仕上げた曲なんだけど、実は私これを聴きたくてこのディスク購入してきたのであった....。でも、この多彩なオーケストレーションを聴いていたら、今度はこの曲の生オラ・ヴァージョンも聴きたくなってしまった。やれやれ、また、出費か(笑)。
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