しばらく前に購入した「セブン・ステップス」を先ほど開封したんですが、そういえばここに収録されている最初のアルバムに相当する「Seven Steps to Heaven」を私は未だ聴いたことがなかったので、とりあえずボックス・セットから該当する曲を抜粋してアルバムを再現したCDRを作って聴いてみました。この時期のマイルス・バンドはまだ過渡期で、マイルスとロン・カーターのベースは固まっていたようですが、サックスのジョージ・コールマン、ピアノのハービー・ハンコック、ドラムスのトニー・ウィリアムスの参加する前段階で、ヴィクター・フェルドマン(ピアノ)とフランク・バトラー(ドラムス)というカルテットで録音したセッションもあり、このアルバムにはその両方のセッションが収録されているという半端な印象があったのせいか、これまで聴いていなかったという訳です。
ちなみに1,3,5曲目がカルテットの演奏で、2,4,6曲目がそのまま数々の名作ライブを作っていく黄金時代前期のクインテットで録音されたものとなりますが、前者のカルテットの演奏は、「Basin Street Blues」「I Fall in Love Too Easily」「Baby Won't You Please Come Home」の3曲で、どれもマイルスのミュートをフィーチャーしたミディアム~スローのバラード系なアレンジ。よく歌うマイルスのミュートとなかなか知的なソロ(ビル・エヴァンスとウィントン・ケリーの中間みたいな感じ)を展開するフェルドマンのソロがいい感じでブレンドして、程よいリラクゼーションが、カクテル・ラウンジ風なジャズっぽさがいかにも心地良さに誘う演奏になっています。なにしろもう一方のクインテットの方のメンツがメンツなだけに、こちらの演奏の一般的な評価は低いようですが、個人的には「けっこういいじゃん」って感じでした。ある意味でプレステッジ以来の王道スタンダード・ジャズ路線の打ち止めともいえる演奏ですよね、この3曲。
一方、クインテットの演奏は、初顔合わせでももうあのサウンドになっているのはさすが。2曲目にラインナップされたタイトル・トラックが始まると、いきなり音楽そのものがモダンで現代的な響きを感じるのは、この曲をこの「フォア&モア」その他で聴き過ぎてしまった人間の先入観でしょうかね。4曲目の「So Near, So Far」はフェルドマン作である非スタンダート作品ですが、込み入ったリズム・パターンといい、色彩的なアレンジといい、早くも2年後の「E.S.P.」を予見させるようなモダンさがあります。6曲目の「Joshua」はタイトル曲同様、ライブでお馴染みの作品ですから、まるで初めて聴いた気がしないような演奏ですが、ロン・カーターとトニー・ウィリアムスのシンバルをリズムの核として、各メンバーが従来のアンサンブルからすると自由度とスピード感の高い、奔放な演奏を繰り広げているのは、当時としてはかなり近未来的なモダンさがあったと思わせるに充分な仕上がりです。
ちなみに1,3,5曲目がカルテットの演奏で、2,4,6曲目がそのまま数々の名作ライブを作っていく黄金時代前期のクインテットで録音されたものとなりますが、前者のカルテットの演奏は、「Basin Street Blues」「I Fall in Love Too Easily」「Baby Won't You Please Come Home」の3曲で、どれもマイルスのミュートをフィーチャーしたミディアム~スローのバラード系なアレンジ。よく歌うマイルスのミュートとなかなか知的なソロ(ビル・エヴァンスとウィントン・ケリーの中間みたいな感じ)を展開するフェルドマンのソロがいい感じでブレンドして、程よいリラクゼーションが、カクテル・ラウンジ風なジャズっぽさがいかにも心地良さに誘う演奏になっています。なにしろもう一方のクインテットの方のメンツがメンツなだけに、こちらの演奏の一般的な評価は低いようですが、個人的には「けっこういいじゃん」って感じでした。ある意味でプレステッジ以来の王道スタンダード・ジャズ路線の打ち止めともいえる演奏ですよね、この3曲。
一方、クインテットの演奏は、初顔合わせでももうあのサウンドになっているのはさすが。2曲目にラインナップされたタイトル・トラックが始まると、いきなり音楽そのものがモダンで現代的な響きを感じるのは、この曲をこの「フォア&モア」その他で聴き過ぎてしまった人間の先入観でしょうかね。4曲目の「So Near, So Far」はフェルドマン作である非スタンダート作品ですが、込み入ったリズム・パターンといい、色彩的なアレンジといい、早くも2年後の「E.S.P.」を予見させるようなモダンさがあります。6曲目の「Joshua」はタイトル曲同様、ライブでお馴染みの作品ですから、まるで初めて聴いた気がしないような演奏ですが、ロン・カーターとトニー・ウィリアムスのシンバルをリズムの核として、各メンバーが従来のアンサンブルからすると自由度とスピード感の高い、奔放な演奏を繰り広げているのは、当時としてはかなり近未来的なモダンさがあったと思わせるに充分な仕上がりです。