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ブラームス ピアノ協奏曲第1番/ルビンシュタイン,ライナー&CSO [SACD]

2006年03月21日 17時00分29秒 | ブラームス
8日にレビュウしたルビンシュタイン引退記念の録音は、味わい深さみたいなものはあったとしてしても、あの時も書いたとおり「若気の至り的なごりごり感」が、少々もの足りないような気もしたんですが、その時ちょっと気になったは、同じルビンシュタインでも、ライナーと組んで録音した50年代の演奏はどうなんだろう?という点。幸いにもこの録音はリヴィング・ステレオ・シリーズの一貫として、近年SACDで復刻されていたので、先日注文した訳ですが、それを今聴いているところです。

 一聴した印象としては、さすがに約四半世紀も遡っているだけあって、メータとの録音に比べると、一音一音のピアノの音が立っているし、弾力あるリズム感や推進力も充分ということで、全般的に覇気を感じさせるピアノだと思いました。第1楽章の展開部あたりでの精力的に動き回る部分のバイタリティなどある種豪快な勢いがありますし、第3楽章は例のカデンツァを含め華麗そのもので、まるでショパンを聴いているような感じすらするほどです。うーん、やはり1番だとこういうピアノの方がいいなぁ....って、この時点で既にルビンシュタインは67歳だったので、決して若いなどといえる年齢ではなかったのですが....(笑)。
 あと、ライナー指揮のシカゴ交響楽団も好演です。例によって切り込んでくるような弦に、腰の据わった金管のシャープさがよく出したシカゴらしいサウンドですが、ライナーという指揮者の個性なのか、ショルティの頃ともまた違う、まるで黒塗りの極上リンカーンがさっそうと滑走するみたいなドライブ感があって、それがとても心地よいです。

 あと録音について書いておくと、これの収録されたのは1954年らしいのですが、まずこの時期にステレオ録音が敢行されていたというのも驚きですが、ステレオ最初期とは到底思えない、直接音と間接音が絶妙にバランスした豊かなステレオ感にも驚きます。マーキュリーのリヴィング・プレゼンス・シリーズもそうですが、この時期にどうしてこんな音が録れたのか、そうなるとその後の何十年間のオーディオの進歩(と思っていたもの)とはいったい何だったのか?などと思ってしまいますね。ちなみにこれはSACD層でもCD層でも聴いても全く同じ印象です。もちろん、SACD層の音の方が残響が良く聴きとれるし、繊細さもぐっと増してはきますが、やはりこのソースの場合、元の録音が極上だったということなんでしょう。ハィファイ録音という感じの音ではないですが、優れて音楽的な音質というべきかもしれません。 
コメント (2)
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