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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

JOHN TAYLOR / Rosslyn

2005年03月02日 22時30分00秒 | JAZZ-Piano Trio
 ECMでお馴染みジョン・テイラーの初リーダー作です。ベースはマーク・ジョンソン、ドラムスがジョーイ・バロンというエンリコ・ピアラヌンツィでお馴染みのご両人を従えたトリオ編成で、試しに購入してみたんですが、中身は私好みな、いかにもヨーロッパ的な感性が横溢するピアノ・トリオ作品で大当たり!。

 基本的には現在人気上昇中のトルド・グスタフセンの先輩格のような、耽美的なムードと静謐な空間がベースとなったいかにもECM系な音楽ですが、時に散文的にフリーな空間が隠し味的に見え隠れしたり、キースのスタンダーズっぽいモダンな4ビートもそつなくこなしているあたり、ジョン・テイラーという人の世代を感じさせます。

 また、ジョン・テイラーは英国出身らしく、音楽がややくすんだ落ち着きあるものになっているのも、特徴といえば特徴でしょうね。カキーンとピアノがクリアに響くのてはなく、ちょいとくぐもったような、ほんの少し温度が高いような音色になっている点や、耽美的フレーズなどを繰り出しても、そこはかとなく控えめで、ちょいと抑圧的なセンスを感じさせるのは、いかにもイギリス人の感性だと思います。

 アルバムで気に入ったのは、やや沈んだトーンの中で耽美的ソロが展開される1曲目やアルペジオの繰り返しが、なにやら眩惑的効果と不思議なリラクゼーションを感じさせる4曲目、これまた妖しげなアルペジオが魅力的な空間を作り出す8曲目等が気に入りました。2曲目でスタンダード「ハウ・ディープ・イズ・ザ・オーシャン」を取り上げているのはやや異色ですが、きっちりテイラーの音楽の枠組みに収まっているのはさすというべきでしょう。

 ついでに書けば、録音は非常に優秀で(特に2曲目)、時々聴こえるバス・ドラムの音圧なんかけっこう凄いものがあって、HiFiオーディオ・ソースとして楽しめる作品でもありますね。SACDで聴けたらなもっと良かったのに....。
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シューベルト/即興曲集 op90,142

2005年03月02日 00時41分08秒 | クラシック(一般)
 たまに聴きたくなる作品です。クラシックを聴きまくっていた頃は、90分テープの両面に交響曲だの、協奏曲だのを入れて、通勤電車の中とか昼休みなどまで、クラシック漬けという感じで楽しんでいた訳ですが、こうしたテープで大作の余白によく入れていたのが、シューベルトの即興曲集の中の作品。

 シューベルトの音楽は、前期ロマン派に位置するという時代的背景もさることながら、おそらく彼自身のキャラが多分そうさせているんでしょう。聴こえてくる音楽はあまり大きな身振りで、泣いたり、叫んだり、喜んだり、沈みこんだりしません。だから、大作がドラマチックに終わった後、、まるでリラックスして演奏されるアンコール・ピースみたいな感じで、何故かぴったりと収まるんですよね。

 即興曲集は作品90と142の2つがあって、テープの余白時間やその前に入っていた曲調に合わせ、いろいろ使ったので、結局、どの曲も好きになってしまったという感じですが、そこはかとない哀感が心の沁みる作品90の1番、しっとりした伸びやかさが美しい同3番、あと、「ロザムンデ」にも使われた旋律が流用されている作品142の3番も、変奏曲形式で控えめですがめくるめくような美しさがあって好きです。

 僕が聴いているのは、もっぱらイングリッド・ヘブラーが今から40年前に録音した演奏です。へブラーはモーツァルト弾きとして有名でしたが、彼女のモーツァルト同様、独特のやわらかみがある演奏が、即興曲にぴったりだと思います。あと、ルプーの演奏も良かった記憶ありますけど、もう10年くらい聴いてない、CDもあるかどうか....。最近、この曲の名演とかありますかね???。だれか教えてください。
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