東京から「野菜の学校」の皆さんが、
静岡の在来作物の視察にお見えになりました。
そこで、私も急遽、参加させていただくことに・・・。
訪れたのは、静岡市千代田の田んぼ。
静岡刑務所の南側、
交通量の多い北街道の南に、
こんな田んぼが広がっているなんて!!
ここで、私たちは清水のもち米、
金太もちを見せてもらいました。
金太もちは、静岡市清水区吉川で、
昭和20年代に伴野金太氏が
畑に生えていた稲穂を見つけ、水田で作り始めたものです。
今、静岡市で金太もちを作っているのは
この田んぼの持ち主である青木さんお一人だけ。
作られなくなった理由は
①収穫時期が他の米より遅いので、
鳥に食べられてしまうことが多い。
②丈が高いので倒れやすい。
③米の「肌」が汚いので、品評会で良い評価が得られない。
という、このもち米の特徴に加え、
①お餅の消費量が減った。
②もち米の価格が安定しない。
③もっと作りやすい品種の登場
④米を収穫した後のわらで、正月飾りを作る家が少なくなった。
という社会の変化も挙げられます。
金太もちは、粘りが少ないので、
単独で使われるよりも、
他の米と混ぜて使われることが多かったようです。
そんな作りにくい金太もちをなぜ作り続けるのか?
それは、この金太もちを通じて、
私たち日本人の食生活や習慣、伝統行事の変遷を
伝えていきたいからではないでしょか?
生産者、青木さんのお話を伺っていると、
在来作物は、守るべき文化遺産だと思えてきます。