先日京都市内某所で「世論調査と死刑廃止」と題した講演会が行われました、サブタイトルは「半数が死刑の存続を望んでいない」というものでした、この講演会を主催したのは仏教を中心とした宗教関係者でありましたが無信仰なるGGIも聴きにいきました
講演者は日弁連の死刑廃止検討委員会の弁護士さんでありました
法務省は五年に1回、全国の二十歳以上の人々を対象に死刑制度についての世論調査を行っていますが、最近(昨年11月)行われた調査の結果について説明が行われました
今日の写真は調査方法などと全体的結果が示されている表を撮ったものです、クリックしてご覧くださいませ
この写真で分りますように、死刑を廃止すべきであるとする人は9.7%、死刑もやむを得ないとする人が80.3%、わからないとした人が9.9%です
つまりこれらの数値からは死刑に賛成の人が圧倒的に多いということになります、
この数値について、講師の弁護士さん曰く、「朝日新聞はよくない新聞ですね、この質問のあとに関連質問が行われているのですが、朝日は関連質問の結果には触れずに、この数値だけを取り上げて死刑支持が圧倒的と報じたのです」
関連質問とその結果は以下の通りです
設問:『死刑もやむを得ない』と答えた方に「将来も死刑を廃止しない方がよいと思いますか、それとも状況が変われば、将来的には、死刑を廃止してもよいと思いますか」
結果:将来も死刑を廃止しない:57.5%
状況が変われば、将来的には死刑を廃止してもよい:40.5%
わからない:2%
最初の設問の結果と関連質問の結果を合わせて考えますと
「将来も死刑を廃止しない(57.5%)は「死刑もやむを得ない」(全体の80.3%)のうちの57.5%だから、全体の80.3%×57.5%=全体の46.1%、つまり将来も死刑存置派は全体の46.1%
「状況が変われば、将来的に死刑を廃止してもよい」(40.5%)は「死刑もやむを得ない」(全体の80.3%)のうちの40.5%だから、全体80.3%×40.5%=全体の32.5%が将来は死刑廃止派
つまり。将来も死刑存置派は、全体の46.1%
将来は死刑廃止派は。全体の32.5%
そして死刑廃止すべきである派(現在死刑廃止派)は全体の9.7%⇒結局のところ、現在もしくは将来死刑廃止派は全体の32.5%+全体の9.7%=全体の42.2%
結論:将来も死刑存置派は46.1%に対して。現在もしくは将来的に死刑廃止派は42.2%、その差はわすか4%しかない。だから「半数が死刑の存続を望んでいない」・・・
以上が講師の弁護士さんの説明でありました
また「もし、仮釈放のない『終身刑』が導入されるならば、死刑を廃止する方が良いと思いますか、それても、終身刑が導入されても、死刑を廃止しないほうがよいと思いますか」という設問については。「死刑を廃止したほうがよい」が37.7%、「死刑を廃止しない方がよい」が51.5%、「わからない」が10.8%でありました
まあ、数字だけでものごとを決められるわけではないのでありますが、でも数字の意味をしっかり考えることも必要でありませう
グッドナイト・グッドラック!