雨の季節が終わりに近づいたと思ったらいきなり真夏になりました
真夏になると当然ながらステテコが必要となります、夏になってもステテコなんて着用しないというヒトは、カッコいいつもりかもしれませんが野蛮人であります、蒸し暑い日本の夏を乗り切るにはステテコに勝るものはありませぬ
しかしながら、わが庵に散在するステテコ諸氏、いささか生地に疲労をきたしておりゴムひもがすっかり緩んでしまってほとんどが使い物なりませぬ
そこで昨日、ステテコを求めていきなりの夏空の下、街をさまよいました。近くの京阪電車さんの駅の近くにある、以前ときおり買い物していたことがあるお店へと向かいました、ずいぶん昔からやっている衣料品のお店です、このお店、店内一杯にと申しますか、店外にまであふれんばかりに各種衣類を積んでおりますが流行っている気配はあまりありませぬ、このお店、いつまで持つかなあとGGIはいつも心配でありました
店主のオバサンが店の奥にドッカとかまえており、たいてはこのオバンの周りに何人かのおばさんがタムロして、オシャベリをしております
GGIは、以前は時々このお店にいってタムロするオバサンたちをからかいながら買い物をしたものでありました
「オバちゃん、パンツないか、ベネトンのパンツ」
「ベネトン?何やそれ、うちはグンゼや、グンゼの高級品や」
「オバちゃん、ベネトン知らんのか、世界一有名なブランドや、オレ、いまベネトンのパンツはいているから見せたろか」
「見せていらんわ、あんたのパンツなんか見てもしょもないわ」
「まあ、そんなこと言わんと・・・いま見せたる」
と言ってGGIはバンドを緩めてステテコの下からハデ・ハデのベネトン・パンツを引っ張り出して、オバちゅんたちに無理やり見せてやったことがあります
「オバちゃん、ステテコないか、上等の、涼しいやつ」
「あるで、ほらそこ、そこにある、これ《逗子の風》って言うんや、最高級のチリメン、世界一涼しいステテコ」
かようなしだいで何年も前、オバちゃんの口車に乗せられて、《逗子の風》という結構なお名前のステテコを買ったのでありました
そのステテコ君たちが役立たずになってしまいましたので、このお店でまた買おうと出かけたのであります
ところが京阪電車さんの踏切を渡ってもうすぐだと思ってお店のほうに目をやりましたら、何やら様子がおかしいのです
お店にシャッターが下ろされております、近づいてみますと貼り紙がしてありました
「テナント募集中・・・○○不動産」
アッチャー、とうとうこのお店、つぶれてしまったのです、と申しますかGGIがこのお店に最後にきたのはかなり以前のことでありますので、とっくのむかしにつぶれてしまっていたのかもしれませぬ
今日の写真はこのつぶれてしまった衣料品のお店を撮ったものです、よろしければクリックしてご覧くださいませ
原因は明らかです、このお店の筋向いにあった小さなスーパーがつぶれてしまったからです、スーパーに来るお客さんたちがこのお店でよく買い物をしていたのです、連鎖倒産です
この小さなスーパー、近くの個人商店の社長さたちが寄り集まってつくった手作りスーパーでありました、お店のなかでは元店主さんたちが対面販売をしており、ひなびたのんびりしたスーパーであり、GGIは愛用しておりました
でもつぶれてしまいました、原因は明らかであります、わが庵の近くに地元大資本、平和堂さんのスーパーができたからです、効率のよい小奇麗な大資本のスーパーにはとても太刀打ちできなかったからです
GGIはこの近くにできたスーパーのおかげでたいへん便利な思いをしているのでありますが、その代わりに、逗子の風を失ってしまったのです、まことに哀しきことであります
おお、逗子の風よ、いずこに・・・
グッドナイト・グッドラック!