庵の近くにある川沿いの道、二車線に満たないその道の両側にある日、白い線が引かれました、この真新しい白い線を目にしたとたん、久方ぶりにGGIのイチャモン精神が爆発いたしました、おいおい、こんなことでコトを済まそうというのか!
今日の写真はこの川沿いの道を撮ったものです、よろしければクリックしてごご覧くださいませ
この鮮やかな真っ白の線、この線を一本引いただけで、この線からこちらは歩道です、安全地帯です、市民の皆さん、安心して歩きませうね、といわけです
でもこの白い線があなたの身の安全保障とは限りませぬ、わき見運転の車や車どうしが出会ったりするときに、楽々と白い線を越えてあなたを危険にさらすことは明らかであります
でもこの線を引いて、警察のみなさんは交通安全の務めを果たしたと思っているのです、歩道を設けることや歩道と車道の間にガードレールを設けることはカネも手間もかかるので、この線一本で事を済まそうというわけです、まことに安上がりな交通安全対策の名に値しない安全対策であります、市民の身の安全なんて、実際にはどうでもいいのです、
みなさんこんなアホな現実を看過してよいのでありませうか、今必要とされるのは安倍君が熱をあげている安全保障法制ではなく、市民の安全保障法制であります
聡明なるGGIの考察によれば、日本の政治は、中央においても地方においても、かようなる安易なる線引き政治に満ち満ちているのであります、線引きをすれば事足れりというのが日本政治の本質であります
たとえばちかごろ流行りの原子力防災対策なるものがその典型であります、福島原発事故以後、原発から半径30キロの圏内に安全対策を施せば国民のみなさんは安心ということになっておりまする、
しかしながら、この30キロは科学的にほとんど根拠がないのであります、まあ、せいぜい福島原発の経験から、30キロぐらいにしておけば何となるのじゃないかなあという程度のものであります、すなわちこの30キロという線引きは、今度また原発事故が起きても、できれば被害は半径30キロ以内に留まってほしいなあ、という希望的観測に過ぎないのであります、でもこの半径30キロと言う線引きはなしくずしに日本全土において定着しており、いまでは一人歩きしております、30キロ圏内の人だけ心配してればいいんだよなあ・・・30キロ以遠にいるオレたち私たちは安全・・・
原発事故の被害範囲というのは事故の態様や地形や風向きなど、さまざまな要因に左右されることは福島だけではなく、チェルノブイリやスリーマイルの事故ですでに証明されているのです、福島原発はたまたま太平洋岸に位置していたのであの程度の被害範囲に留まったにすぎません、海と陸の位置関係が反対である日本海岸に位置している原発であのような事故が起きれば、福島よりもずっと広範な地域に被害が及んだであろうことは、、日本地図を見れば誰にでも容易に想像がつくことなのであります、それなにの30キロで線引きして一貫の終わりなのであります
分り切ったことでありますが原発事故に限らず、大きな事故や災害は人間が希望するように起きるわけはありません、しょっちゅう「想定外」の事故や災害が起きることは歴史が証明しております
それにですねえ、あのアベ君が執着する安保法制、これも中身は天啓的な線引き政治であります、ここからは戦場、ここまでは安全な後方支援が可能な地域などと、勝手にあちこちに線引きをしているのです、まったくノーテンキのアホな話です、ミサイルや無人攻撃機やドローンなどハイテク科学兵器が飛び交う、場合によっては核兵器だけではなく生物兵器や化学兵器さえ使われかなねない現代の戦争においては。戦線はあっというまに形を変え拡大したり縮小した、ときには飛び火したりいたします、ですから戦場に線引きして、ここからは安全、だからここまでは自衛隊OK、こころからは危険などと線引きするなどと言うことは不可能なのであります、また、たとえば「テロとの戦い」などでは戦場を確定することさえ困難です
それでもアベ君、ココからは存立危機事態、ココからは重要影響事態などと線引きに躍起になっております、とにかく線引きさえやっておけばコトは足りると言う精神です
道路の歩道問題から、国家の安全保障まで、日本の政治は線引きで動いているのです、線引きさえすればよしであり、線引きしたあとのことは誰も考えておりません、ましてや線引きが間違っていた場合のことなど、あるいは線引きが無意味であった場合のことなどは、政治家のみなさん考えておりませぬ
そのうえ、日本の線引き政治における一番の危険性は、えてして政治家の先生方はまっすぐな線、すなわち明快な直線による線引きを行いたがることであります、凸凹に満ちた多種多様の形態をしている現実の姿を無視して明快なる直線で現実を割り切りたいのです、そのため多くの市民がこの強引な一直線の線引きに泣かされることになるのです
一直線にものごとが進めば大変結構なのですが、世の中、大半のことはそうはまいりませぬ
GGIも、深夜アルコールを若干摂取しながら今日一日を反省して、明日からは清く正しく一直線に生きようと、毎晩決意をするのでありますが、翌朝目が覚めて数分も経たないうちに、とってもじゃないけど一直線なんて無理だよなあと現実を悟るのであります
ですから、みなさまも妙な線引きなんかせずに、自由にのびやかにお暮しになるようGGIはキボ―します
グッドナイト・グッドラック!