透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

カフェ・シュトラッセで「進化の設計」を読む

2010-04-11 | A 読書日記



 昼過ぎ、カフェ・シュトラッセへ。店の前の白梅がちょうど見ごろだった。



ケニヤを飲みながら、持参した『進化の設計』佐貫亦男・講談社学術文庫を読む。

この本には進化の過程で自然(造物主)がデザインしたさまざまな生き物のイラストが載っている(写真)。左の首の長い恐竜を見たときはなかなかいいデザインだと思った。

著者もエラスモサウルスというこの恐竜について**(前略)ある美しさが見られる。それは長い首、完全流線型の胴体、やはり流線型の前後肢の均整がとれた比率である。(中略)設計としては成功で、優れた手腕の作といってよい。**と、そのデザインの分析をしている。

イラストを見ていると自然(造物主)も試行錯誤しながらいろんな生き物をデザインし続けたことがわかる。中にはこんなデザインはないだろう・・・と思うようなものもある。いくら優れたデザイナーでもこれだけ多くの生き物のデザインをすれば中には失敗作も当然あるだろう。

**ノトサウルスとは見せかけトカゲの意味であるが、(中略)二流以下の、間に合わせ的制作であった点で、命名は的を射ている。ノトサウルスがつぎのジュラ紀まで残存できなかったのは当然であった。**

「長続きしているかどうか」が、デザインを評価する重要な観点であることを進化の歴史が教えてくれている・・・。優れたデザインは永い時の流れに耐える、建築も然り。




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