透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

本棟造を路上観察する

2010-05-04 | A あれこれ


路上観察 烏おどしと懸魚 山形村にて 100502  

 本棟造は松本平に広く分布している民家、端正で力強いデザインだ。勾配の緩い大屋根の棟端を飾る「烏おどし」。この飾りを「雀おどり」としている文献もあるが、「烏おどし」とは本来別のものと捉えた方がいい(と、以前も書いた)。

「雀おどり」は棟で交差させた破風板の小口を板で塞いだ結果出来るひし形の中を飾ったもの(写真②)。

「烏おどし」には不吉な鳥とされる烏が屋根にとまらないようにおどすという拒絶の意味が、「雀おどり」には雀が屋根で楽しそうに遊ぶのを歓迎するという意味が込められているのだろう。

昔は木でつくられていた烏おどしだが、今はこのように鉄板で包まれているものが多い。包み方はいろいろ。板金屋さんにそれぞれ流儀がある(写真③)。

棟木の小口に付けられている懸魚(げぎょ)に注目。何をモチーフにしているのかわからないが、とてもモダンなデザイン。

長い年月が民家のデザインを練り上げてきた。


雀おどり 茅野市にて


烏おどしと懸魚 朝日村にて




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