透明タペストリー

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「著作権とは何か」

2007-03-19 | A 読書日記



 『著作権とは何か―文化と創造のゆくえ』福井健策/集英社新書

最近、著作権とはなんだろうと気になっていた。昨日書店でこの本を見つけた。
著者の福井さんは弁護士、著作権法が専門だという。

著者によると**著作権の最大の存在理由(少なくともそのひとつ)は、芸術文化活動が活発におこなわれるための土壌を作ること**だという。

「ウエスト・サイド物語」と「ロミオとジュリエット」の類似点、そして実はこのミュージカルは「ロミオとジュリエット」が原作であること。もしこのミュージカルが「ロミオとジュリエット」の数十年後の作品でシェイクスピアの子供が「親父の戯曲を勝手にミュージカルにしたのは許せない!」と訴えを起こしたらどうなるか、というように、この本で著者は興味深い例をいくつも示しながら、著作権について解説している。「ロミオとジュリエット」には種本があって、さらにその種本にも種本があって・・・とこの問題は複雑なのだそうだ。

他にもディズニー映画「ライオン・キング」が手塚治虫さんの「ジャングル大帝」によく似ているという指摘があって論争になったこと、山岳写真家白川義員(よしかず)さんの写真をマッド・アマノさんがモンタージュしてパロディにしたことが著作権と著作者人格権の侵害にあたるということで裁判になったことなどもとり上げられている。これは30年くらい前の裁判とのことだが、問題の写真は記憶にあった(下の写真)。

**著作権をめぐるさまざまな問題は、ひとことで言えば「守られるべき権利」と「許されるべき利用」のバランスという問いに還元できます。** 結局 こういうことだそうだ。


●マッド・アマノさんのパロディモンタージュ 本書より

このように写真を載せることは法的に問題があるのかないのか、そしてその理由は、本書を読了したが分からない・・・。


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