透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

帯代五両

2020-10-20 | B 石神・石仏









 「火の見櫓のある風景 スケッチ展」の会場(豊科のカフェ、BELL WOOD COFFEE LAB)の近くにこの道祖神が祀られている。石種は花崗岩と見られるが、花崗岩は損耗しやすい。

この道祖神も損耗が進み、像がはっきり分からないが、男神と女神がお互いの肩に手を掛け、握手をしている抱肩握手像だと思われれる。仮に祝言像だとすると、左側に立つ女神が手に酒器を持ち、男神は盃を持っているはずだが、共にこの像では確認できない。

裏面には天保十四卯正月吉日と、帯代五両という文字が彫り込まれている。調べると天保14年は確かに卯年で、西暦1843年。ということは今から180年近く前ということになる。

ところで帯代だが、昔は「嫁入り」という道祖神ぬすみの風習があって、夜中に道祖神を近隣の村人がぬすんでいく、と言うとよくないが、嫁に欲しくて持ち去ることがあったという。で、帯代というのは、まあ結納金のようなもの。「嫁入り」させるなら、五両の結納金をいただきます、という意味だ。

中にはかなり高額な帯代を設定したものもある(過去ログ)。


 


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