透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

木造の火の見櫓

2022-04-05 | A 火の見櫓っておもしろい


火の見櫓がどんなところに立っているのか、周辺の様子が分かる写真を載せるべきだとSさんから指摘を受けていた。


(再)松本市新村根石 梯子✛控え柱型 撮影日2022.04.05

梯子に寄りかかるように街灯が立っている。半鐘が確認できないので分かりづらいが、4本柱の火の見櫓のように見える。



 松本市内では、いや長野県内でも、おそらく全国的にも珍しい木造の火の見櫓。既に見ている(過去ログ)が、気になって今日(0405)また見てきた。変わらぬ姿で立っていた。 貴重な木造の火の見櫓、撤去されることなく立ち続けて欲しいと切に願う。

今回は細部に注目した。柱脚部の直径約20cm、高さ約5.5ⅿの柱2本と等辺山形鋼(5×50×50)の踏み桟(間隔45cm)で梯子を組んでいる。この火の見櫓(一般名称)を櫓構造とみるか、控え柱付梯子とみるか判断が難しいが、控え柱付梯子とみた(前回とは判断が異なる)。




柱にプレート付角パイプを釘(?)で留めている。2本の角パイプを交叉させて控え柱を受けている。


控え柱にメタルタグが張ってあることに気がついた。予想通り電柱の転用であることが確認できた。梯子の柱材もたぶん同じだろう。


しばらく前から半鐘に注目するようになった。寄付金額と寄付者名(17人)の他に「大正三年二月吉日 新村根石」の銘が確認できた。この半鐘は火の見櫓用として地元の人たちの寄付金で大正3年(1914年)に鋳造されたことが分かる。108年も前のことか・・・。おそらく同じところか近くに火の見梯子が建てられ、その時に吊り下げられた半鐘だろう。

火の見に、半鐘に歴史あり