
■『日本の景観 ふるさとの原型』を読み終えて、新潮文庫で復刊された福永武彦の『忘却の河』を読み始めた。前にも書いたが、この本の帯には「人生で二度読む本」とある。この小説を写真左の文庫で読んだのが1981年の9月、あれからもう26年が過ぎた。
いつか再読したいと思っていた本、復刊がうれしい。どんな本でも読む度に感想は違うはず。今度はどんな感想を抱くのだろう・・・。復刊本には著者の息子、池澤夏樹のエッセイも収録された。
やはり少なからぬ読者がこの本の復刊を願っていたということなのだろう。今月は他に江藤淳の『文学と私・戦後と私』が復刊されている。帯には「不朽の名作が続々登場!」とある。柴田翔の『贈る言葉』もこのシリーズで復刊された。これからも楽しみにしたい。
昔の作家は作品を創ることに人生の全てを費やした。人生の全てを負うた作品こそ秋の読書に相応しい。