透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

カンディンスキー

2007-03-13 | A あれこれ


「相互和音」カンディンスキー 
         国立新美術館のパンフレットより

「異邦人たちのパリ1900-2005」は展示作品が約200点という大規模な展覧会。藤田嗣治、ピカソ、シャガール、モディリアーニなど有名な画家の作品が数点ずつ並んでいました。盛り沢山な内容は、喩えはよくありませんが「幕の内弁当」のようです。一通り何でも食べたいという発想。私はひとりの画家の展覧会の方が好きです。

ミロやカンディンスキーのグラフィックデザインのような抽象画は前から好きでした。で、今回の注目はこの作品、「相互和音」。ミロの場合は子供のように絵の構成も自由奔放に見えますが、カンディンスキーの場合は緻密に考えて構成しているような気がします。この絵からもそんな印象を受けます。

先日この絵に付いていたキャプションが展覧会場の国立新美術館にもそのまま当て嵌まる、と書きました。右側のブルーの部分の縦のウェーブ、なんだか美術館の特徴的なガラスの曲線のようにも見えます。

ところでカンディンスキーとシャガールとでは作風は全く異なりますが、豊かな色彩は共通しています。ふたりともロシア出身の画家です。ロシアというと私はどうしても例えば映画「ドクトルジバゴ」に出てくるような、荒涼とした冬の大陸を想起してしまいます。そういう風土があの色彩を生んだのかもしれない・・・、雪国石川で九谷焼が生まれたのも同じ理由だったりして。