田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

♬ 地ガキは、どこへ行った?

2019-01-28 18:17:17 | よもやま話・料理編
一昔前の熊本県民は、今の季節、酢ガキで一杯が楽しみでした。
             
当時、地元で愛された小粒の此の牡蠣は、天草沿岸部で採れる一年物の天然です。
今の養殖カキと違い、歯ごたえがあるから天草でも人気だったのです。
この寒い中、沿岸部の磯で採取する作業は、とんでもない仕事でした。
岩場にへばりついているカキ殻の大きさは、親指大くらい。
それを、一個づつ特殊なピッケル状の道具で打って(!)取り出します。
やっと採れた 『 打ち牡蠣 』 の身は、小指サイズ。
       
             
そんな貴重な地ガキ。
ヒゲは、先ず一個づつ水道水で洗いながら、貝柱の所をチェックします。
ここに、カキ殻が残っていることが多いからです。
その後、大根おろしで軽くもみ洗いすると、アクと汚れが落ちます。
            

やがて時が過ぎ、熊本市保健所から ありがたい(?)お達し が来ます。
     ≪ 打ちカキは、生食では提供しないで下さい。 ≫ 
加熱して食べろと云う事です。
環境汚染での大腸菌増加のせいでしょう。
もちろん、ひねくれ者のヒゲが、遵守する訳がない。
直ぐに、メニューを書き換えます。
   * 宝くじにも当たらない人向き?  地ガキ酢 580円
      〔 保健所の方や、当たっても良い人はどうぞ! 〕
   * 当たりたくない人におすすめ  地ガキの松前焼き 580円


松前焼きは、主に熊本郷土料理のコース用に開発したもの。
それを、単品注文のお客様用にも格上げ(?)したのでした。
四角にカットした昆布の上に、地ガキを並べます。
すると、カキの水分が昆布のおかげで脱けます。
昆布は逆に、水分でしっとりします。
それに塩を振って、フィッシュ・ロースターで焼くのです。
天火でカキを焼き、昆布は水分のおかげで焦がれ過ぎない。
焼き上げた松前焼きを、小型の“ 一文字 ” でスーッと掬いあげて、器に移動します。
焼けて更に小さくなったカキを、一個づつ口に運び、球磨焼酎をグビッ。

現在は、清浄海域での養殖カキを、酢ガキに使っているようです。
まぁ、しょうがない事なんでしょうが、シコシコ歯ごたえを楽しんでいたヒゲ世代には、
物足りない小鉢ですネ。
天草出身のヒゲの母親は、カキフライにもこだわって、この小粒な牡蠣を数個まとめて
揚げていました。
カァちゃんが、偶に鶴屋で見かけるそうですから、楽しみに待ちましょう。

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2 コメント

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良い趣味 (ヒゲ)
2019-01-29 19:15:17
わあ!お父様は良い趣味ですね、私と同じ生臭派ですヨ、笑。
内の母親もそうでしたが、かつての熊本県民は広島カキは食べなかったのでしょうか?

ちょっと前まで、マスコミがクマモトオイスターの話題を拾っていました。が、今や話しのかけらもありません。お値段がリッパ過ぎて、熊本市民には高嶺の花です。東京オイスターバー送りかも。

バギャーも、とんと見ません。真珠貝は時々出ますが。ダイダイも、おしゃれな店には不似合いなのか、使う店もありませんワ?悲。
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時代が変わって (batten)
2019-01-28 19:34:11
死んだ父親が生臭物(良い意味で)が大好きでした。
地牡蠣酢・ウバギャー酢・鱧ん皮酢&〆鯖など青魚一式があれば黙って酒を飲む男でした。

その父親ですが養殖牡蠣は口にしませんでした。
旅行で行った広島で、肥を海上でまいているのを見て嫌になったそうです。

あれだけ熊本の牡蠣は生食禁止だといってたくせに、種牡蠣で海外へ送った事で有名になっちゃって
「クマモトオイスター」で売り出し中ですから、時代が変わって面白いです。
よくは知りませんが、せっかくの濃い味わいの地牡蠣をオゾン殺菌海水で仕上げているのかもですね。

ちょっと前までは、真珠貝の柱も売ってましたが東京では見かけません。

牡蠣酢など最近の和食さんはカボスやレモンなどが好みですねぇ、
昭和のオジサンは橙の柔らかな香りと酸味が好きですが・・・・

最近は牡蠣小屋なるビジネスが流行で、一斗缶のガンガンで蒸し焼きした牡蠣が人気です。
殻ごと出して客が自分で焼くのだから料理人はラクチンです。



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