田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

天ぷらへの誘い~五感を使う

2018-11-23 18:47:30 | よもやま話・料理編
田園のカウンター ・・・ 見習い新人が来て、天ぷらを揚げてるヒゲに質問します。
手帳と筆記具持って、「 このエビ、何秒間揚げるんですか? 」
問われたヒゲは、青ざめます。
アナログ系のヒゲには、最難問のデジタル系の質問だからです。
天ぷらだけでなく、酒燗器で燗をつける時も、同じ質問でした。 
「 何秒ですか? 」
「 そんなモン、適当、テキトウたい! 」 と応えるのが、昭和オヤジの精一杯。

「 ええか! 天ぷらは、瞬間芸や。
  そんなストップウォッチを凝視する事より、五感をみがく事に集中しいヤ。 」
             

先ずは、天ぷら油の温度を知覚で確認します。昔は、指先を油にちょっと浸ける人もいましたが。
天ぷらが揚がったかどうかの確認も、感覚です。
最初に使う感覚は、視覚。
ネタを熱い油に投じると、激しく反応して泡が生じます。
凝視していると、泡のサイズに変化が現れます。
変化を見つけたら、揚げてるネタを箸で軽く掴むと振動を感じます。
指先の触感(!)に、集中しましょう。
振動が大きく変化したと感じたら、揚がっていると云うわけです。
これが、最初の基本ですね。
               
で、次の段階は、聴覚です。 けっこう難しいもんです。
漫画 “ 美味しんぼ ” の1巻から貼付します。
          

          

揚げながら、音を聴いているのです。
天種を揚げていると、揚げ音が変わる一瞬があります。
ネタの水分が脱水される加減の、ぎりぎり(!)の際です。
この変わる一瞬の音を聴き分ける聴力が、求められます。
ストップウオッチを見る暇なんて、無いのです! (笑)

そうは言っても、現在の料理人さんは、促成栽培で育って貰う必要があるそうです。
こんな五感を磨くなんて、前近代的なやり方では間に合わないでしょうね? (笑)
で、ヒゲが勧めるのが、味見ですネ。
例えば、三人前の天ぷらの注文がきたとします。
決められた数の野菜を揚げるのですが、貴方はウッカリ八兵衛になりましょう。
「 あらーっ、かぼちゃを一切れ多く揚げちゃった!? 」
ご免なさいと言いながら、パクッと食べちゃうんです。
味覚を澄ませて、 「 あっちっちー 」

火の通りを確認する為ではありません。 揚げ加減をチェックするのです。
もう少し浅く揚げたが良いか?
もう少し揚げて、水分を除いた方が良いのか?
この試行錯誤が、大事なプロセス。
微妙な揚げ加減は、試食しないと分かりません。
ストップウオッチでは計れない世界。
自分で揚げたモノ・作ったモノは、ぜひ味見しましょう。
上達の近道だからです。
常に自分の舌で、味の確認することは、大事なポイントです!!

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コメント (2)
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