クルーズ珍道中～トイレ バトル？

バトラーさんの説明が終わって、ゆっくり落ち着いたヒゲ夫婦。
ソファーに腰かけて、シャンパンを頂きながら海の景色を楽しみます。
　　　　　　　　　　　　　
しかし、ヒゲには、それとは別の仕事（？）が残っているのです。
広いスイートルームを、ヒゲの眼がスキャンします。
やがて、カァちゃんへ頼み事を始めます。
「　この丸いサイドテーブルを、ヒゲのベッドの横に置いて。　」
更に、「　中央に向けてセットしてある椅子を、１８０度反転させて。　」　と。
つまり、そのまま座れる椅子を、わざわざ逆さまにするのです。
この指示に、カァちゃんも怪訝顏になります。　（笑）
が、暫くすると、　「　ふぅ～ん、なるほどね！　」　と納得の御様子。
　　　　　　　　　　　　
ひとしきり移動が済むと、ヒゲはトイレに。
クルーズでの一番のハードルを確認するのです。
障害者ヒゲには、トイレまでの動きがスムーズでないといけません。
このクルーズを楽しむのには、大事なことですから。
転倒して骨折でもしたら、最悪のケースになります。
ヒゲは、ソファーから一回転しながら、ゆっくり立ち上がります。
身体を伸ばしながら、筋肉をほぐしたら、右手から“つたい歩き”。
裸足で歩けるのも、ありがたい。
頭の中に描いた動線を頼りに、進みます。
兼ねてのリハビリ室での横歩きが役に立つ。
先ほどの、逆さ置き椅子の背もたれも掴みながら、トイレにたどり着きます。
「　ヤレヤレ！　」

初めて見る便所。
手洗い用の洗い鉢が、有田焼風でオシャレ。
さて便器はというと、何と蓋がしてある！？　
当たり前ですが、これがヒゲには大変。　我が家は、開けっ放しです。　(笑)
便座の蓋を開ける時の中腰の姿勢は、大きなリスクなのです。
恐る恐る手を伸ばすと、ぎりぎり手が届きます。　「　ヤッタ！　」

用を足しながら、ハッと気づくヒゲ。
トイレに設置してある障害者（？）用の手すりが、右側にしかない！
この設定では、ヒゲは立ち上がれない。
我が家では、両サイドに補助用手すりパイプがあるので、スムーズに立てるけど。
困ったなぁ、左手の補助はどうしよう？
何かないかと、左側を見回して探す。
そうか！　ドアを閉めるとイイんだ！！　（苦笑）
（　普段のトイレでは、いつもドアを開けっ放しのヒゲ　）
閉めてみると、ドアノブがちょうど左手で掴める位置に。　ラッキー！

用を済ませて両手で立ち上がり、トイレの蓋をする。
蓋の先にある水洗ボタンを押したところで、腰が抜けるほどに驚く。
バッキューム排水（？）なんたらで、すさまじい音がするのです。
カァちゃんも、同じく唖然として、別のトイレを試していた。
部屋内に、二か所もトイレがあるんです。
因みに、テレビは三台です。
とうとう最後まで、この排水音には馴染めなかった二人でした。　（笑）
　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　
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