とだ九条の会blog

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国会議員は99条に違反して「憲法改正」できるのか?(3)

2008年07月08日 | 国際・政治
昨日に引き続き、そもそも国会議員は憲法を「改正」できるのか、浦部法穂氏(名古屋大学教授・法学館憲法研究所主席客員研究員)の講演を紹介しながら考えていきたいと思います。(文責:サイト管理者)


浦部氏は、さらに問題なのは、“新しい憲法をつくる”という点だと言います。新しい憲法をつくるということは「憲法の改正」ではありません。それは、いまの憲法を廃止して別の憲法をつくるという話ですが、この点でも浦部氏はそうした権限が国会議員や国会にもないということが全然理解されていないと指摘します。
しかも、自分たちがつくって国民に守らせようというような、そんな憲法につくり変えようとしているわけで、多くの国会議員が、それがいまの憲法と根本的に矛盾していることだという感覚すら持っていないところに、より大きな問題があると言います。
もちろん「憲法改正」について国会議員が議論することは全然構わないものの、新憲法制定を国会が発議するようなことは、明らかに憲法尊重擁護義務違反だというわけです。

自民党が発表している「新憲法草案」は「新憲法」と称しているのですから、新憲法をつくろうとしていることははっきりしています。それを「憲法改正」の手続き(憲法96条)に乗せてやる、つまり「新憲法草案」を国会を通して、それを「憲法改正案」として国民投票に発議する、というわけです。憲法には「新憲法制定」の手続きは定められていませんから、新憲法制定も「改正」だと強弁してやろうとしているのです。
さらに、その国民投票でも憲法の全体について一括して賛否を問う方式をとろうとしているのですから、一部の「改正」どころではありません。
憲法改正というのは、あくまでもいまの憲法の存在が前提となっていなければならないと言います。つまり、いまの憲法を否定するような憲法の変更は、もはや「改正」ではないということなのです。

(つづく)

【参考】『いまこそ憲法を学び考えよう』浦部法穂氏(名古屋大学教授・法学館憲法研究所主席客員研究員)の講演紹介から(2006年10月、法学館憲法研究所刊、400円+税)


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