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原爆79年、平和祈念式典での光る長崎市長の「平和宣言」

2024年08月12日 | 国際・政治
■79回目の「長崎原爆の日」、平和祈念式典開かれる

米国による長崎への原爆投下から79年となった8月9日、長崎市の平和公園で平和祈念式典が開かれました。

式典では、この1年間で死亡が確認された3200人(3冊分)の原爆死没者名簿が新たに奉安され、奉安者数累計は19万8785人になりました。


■長崎市長、「平和宣言」で核兵器が使用されることへの強い危機感表明

鈴木史朗市長は「平和宣言」(下記参照)で、23歳の時に長崎で被爆した被爆詩人の福田須磨子(1922~1974年)が被爆後の惨状や被爆者の苦しみを詠んだ詩「原爆を作る人々に」を引用し、「原爆を作る人々よ! しばし手を休め 眼をとじ給え」という言葉を引用。被爆者は戦後も家族らを失った悲しみや放射線の影響、差別や貧困に苦しめられてきたとし、「今こそ ためらうことなく 手の中にある一切を放棄するのだ」とした須磨子の訴えを紹介するとともに、ロシアのウクライナ侵攻と中東での紛争に触れ、核兵器が使用されることへの強い危機感を示しました。


■米英大使の欠席「イスラエルのガザ攻撃正当化」は認められない

式典には過去最多の101カ国・地域が参列。長崎市はウクライナ侵攻を続けるロシアと、支援するベラルーシの招待を3年連続で見送り、イスラエルについても、パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を踏まえて「不測の事態が発生するリスクへの懸念がある」として招待しませんでしたが、これを受け米英はじめ日本を除く主要7カ国(G7)各国と欧州連合(EU)のは駐日大使が参列を見送りました。

英国大使は欠席の理由として「イスラエルはロシアと違い、自衛権を行使しているからだ」と述べましたが、これは明らかに‟ダブルスタンダード”であり、イスラエルのガザ攻撃は、国連憲章と国際法に反し、非人道的なジェノサイド(皆殺し)と言えるもので、米英などの「自衛権の行使」と正当化することは断じて認められません。長崎市長のイスラエルを招待しなかった主催者の判断は理にかなったもので批判されるべきものではありません。米英など大国の理不尽な圧力に屈しなかった長崎市長の姿勢こそ尊重されるべきものだと思います。


■核兵器が存在するが故に人類への脅威が高まっている現実を直視せよ

「平和宣言」で、鈴木市長は、実戦使用を想定した核兵器の開発・配備など、世界で核戦力の増強が進む情勢に対し、「人類が守り抜いてきた『核兵器を使ってはならない』という人道上の規範が失われるかもしれないという危機的な事態に直面している」と強調。核保有国や「核の傘」の下にいる国の指導者に「核兵器が存在するが故に人類への脅威が一段と高まっている現実を直視し、核兵器廃絶へ大きくかじを切るべきだ」と述べ、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准、憲法の平和理念の堅持などを求めました。


※以下、鈴木史朗長崎市長の「平和宣言」(全文)を掲載させていただき、紹介します。(サイト管理者)


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<【平和宣言全文】「対話と外交努力による平和的解決求める」長崎市長>

原爆を作る人々よ!

 しばし手を休め 眼(め)をとじ給(たま)え

 昭和二十年八月九日!

 あなた方が作った 原爆で

 幾万の尊い生命が奪われ

 家 財産が一瞬にして無に帰し

 平和な家庭が破壊しつくされたのだ

 残された者は

 無から起(た)ち上がらねばならぬ

 血みどろな生活への苦しい道と

 明日をも知れぬ〝原子病″の不安と

 そして肉親を失った無限の悲しみが

 いついつまでも尾をひいて行く

 これは23歳で被爆し、原爆症と闘いながらも原爆の悲惨さを訴えた長崎の詩人・福田須磨子さんがつづった詩です。

 家族や友人を失った深い悲しみ、体に残された傷痕、長い年月を経ても細胞をむしばみ続け、様々な病気を引き起こす放射線による影響、被爆者であるが故の差別や生活苦。原爆は被爆直後だけでなく、生涯にわたり被爆者を苦しめています。

 それでも被爆者は、「世界中の誰にも、二度と同じ体験をさせない」との強い決意で、苦難とともに生き抜いた自らの体験を語り続けているのです。

 被爆から79年。私たち人類は、「核兵器を使ってはならない」という人道上の規範を守り抜いてきました。しかし、実際に戦場で使うことを想定した核兵器の開発や配備が進むなど、核戦力の増強は加速しています。

 ロシアのウクライナ侵攻に終わりが見えず、中東での武力紛争の拡大が懸念される中、これまで守られてきた重要な規範が失われるかもしれない。私たちはそんな危機的な事態に直面しているのです。

 福田さんは詩の最後で、こう呼びかけました。

 原爆を作る人々よ!

 今こそ ためらうことなく

 手の中にある一切を放棄するのだ

 そこに初めて 真の平和が生まれ

 人間は人間として蘇る(よみがえ)ことが出来るのだ

 核保有国と核の傘の下にいる国の指導者の皆さん。核兵器が存在するが故に、人類への脅威が一段と高まっている現実を直視し、核兵器廃絶に向け大きくかじを切るべきです。

 そのためにも被爆地を訪問し、被爆者の痛みと思いを一人の人間として、あなたの良心で受け止めてください。そして、どんなに険しくても、軍拡や威嚇を選ぶのではなく、対話と外交努力により平和的な解決への道を探ることを求めます。

 唯一の戦争被爆国である日本の政府は、核兵器のない世界を真摯(しんし)に追求する姿勢を示すべきです。

 そのためにも一日も早く、核兵器禁止条約に署名・批准することを求めます。そして、憲法の平和の理念を堅持するとともに、北東アジア非核兵器地帯構想など、緊迫度を増すこの地域の緊張緩和と軍縮に向け、リーダーシップを発揮することを求めます。

 さらには、平均年齢が85歳を超えた被爆者への援護のさらなる充実と、いまだ被爆者として認められていない被爆体験者の一刻も早い救済を強く要請します。

 世界中の皆さん、私たちは、地球という大きな一つのまちに住む「地球市民」です。

 想像してください。今、世界で起こっているような紛争が激化し、核戦争が勃発するとどうなるのでしょうか。人命はもちろんのこと、地球環境にも壊滅的な打撃を与え、人類は存亡の危機にさらされてしまいます。

 だからこそ、核兵器廃絶は、国際社会が目指す持続可能な開発目標(SDGs)の前提ともいえる「人類が生き残るための絶対条件」なのです。

 ここ長崎でも、核兵器のない世界に向けて、若い世代を中心とした長年の動きがさらに活発になっています。今年5月には、若者版ダボス会議と呼ばれる国際会議「ワン・ヤング・ワールド」の平和をテーマとした分科会が、初めて長崎で開催されました。

 世界の若い世代が主役となって連帯し、行動する輪が各地で広がっています。それは、持続可能な平和な未来を築くための希望の光です。

 平和をつくる人々よ!

 一人ひとりは微力であっても、無力ではありません。

 私たち地球市民が声を上げ、力を合わせれば、今の難局を乗り越えることができる。国境や宗教、人種、性別、世代などの違いを超えて知恵を出し合い、つながり合えば、私たちは思い描く未来を実現することができる。

 長崎は、そう強く信じています。

 原子爆弾により亡くなられた方々に心から哀悼の誠を捧げます。

 長崎は、平和をつくる力になろうとする地球市民との連帯のもと、他者を尊重し、信頼を育み、話し合いで解決しようとする「平和の文化」を世界中に広めます。そして、長崎を最後の被爆地にするために、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けてたゆむことなく行動し続けることをここに宣言します。


 2024年(令和6年)8月9日
 長崎市長 鈴木史朗

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【出典参考】2024年8月9日配信「毎日新聞」、10日付け「しんぶん赤旗」



※パレスチナに平和を!イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ! 

(※緊急行動は終わりました。)


※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!



※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf


※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G



※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を

(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安
倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名 
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
署名用紙はこちら


2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に! 
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を


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