とだ九条の会blog

「とだ九条の会」公式HPに併設=「とだ九条の会ブログ」でネットワークを広げます。

自由社が「年表盗用」でお詫び--「年表盗用教科書」を採択するのか

2011年07月20日 | 国際・政治

侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」系の自由社の中学校歴史教科書の年表が東京書籍の教科書からの盗用していると指摘された問題で、自由社が自社教科書を採用し使用している横浜教育委員会と中学校校長などに引き写しの事実を認め「お詫び」文書を送付していたことが7月15日に判明しました。

問題の教科書は、『新編 新しい歴史教科書』(2010年・11年度用)で、年表部分が東京書籍版の2002年度の年表と酷似していると「子どもと教科書全国ネット21」と「横浜教科書採択連絡会」が6月13日に“盗用疑惑”を指摘していたものです。

「お詫び」文書は、自由社教科書編集室長の榎本司郎氏の名前で7月に入って中学校校長に出されていました。文書では「ほぼ引き写しであることが判明」したと事実を認め、東京書籍に訪問し陳謝したと説明しています。そして同社教科書を採用している教育委員会や学校にお詫びと経過説明をするとしています。
一方、盗用の経過としては、「当時の作成担当者が2年前に退職しているため」確認できないとし、年表自体には誤りがないため、「学習上の支障はない」などと記載されています。

現在、横浜では同社の歴史教科書は横浜市内の8行政区と一部私立学校で使用されていますが、今年8月の教科書採択(2012年度から4年間使用)でも同社の教科書には、ほとんど同じ年表が使用されています。この点について、同社は見本本について「可及的速やかに作りなおした年表を文部科学省に訂正申請したい」としています。

この問題で、“盗用疑惑”を指摘した「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文事務局長は、「盗作した年表は、10年度用と12年度見本本とでは相違点もあり、2年前の担当者だけの責任ではなく、ごまかしである。盗作教科書を採択した横浜教育委員会と検定を合格した文部科学省・教科書調査官の責任が改めて問われる」問題だと指摘しました。

文部科学省や横浜教育委員会が、これまで自身らが検定を合格させ、採択した“盗作教科書”を放置するのは問題であり、“盗作教科書”は採択の「対象外」にすべきです。

また、自由社と同じく侵略戦争を美化する育鵬社の教科書にも図版の盗用が判明しており、横浜市教委がまたも自由社や育鵬社の教科書を採択したら、子どもに対する教育の責任を放棄するものだと糾弾しています。

栃木県大田原市教委が「育鵬社」教科書を採択>

一方、7月15日、栃木県大田原市教育委員会は2012年度から使用する歴史と公民の教科書について「育鵬社」版教科書を採択しました。

同市は、これまでも2009年度から県内で唯一、侵略戦争を美化した「扶桑社」の「新しい歴史教科書」を採択し、使用してきました。「育鵬社」は「新しい歴史教科書をつくる会」から決裂した「扶桑社」の100%出資の子会社です。

教育委員会の会議で、蛭田教育委員長は「自衛隊を違憲とする反日教育を推進する教科書もある」と述べ、日本国憲法の平和・民主的内容を記載した教科書を批判し、「育鵬社」の教科書が「7社中で最も素晴らしい。全国に広がることを期待している」と絶賛する肩入れぶりです。

同教科書の不採択を求めてきた「子どもの未来を守る会」の槐(さいかち)六男事務局長は「文部科学省が市教委の決定を受け付ける最終期日(8月15日)までに、再考を求めて活動を強めたい」と語りました。また、「子どもと教科書全国ネット21」も「非教育的で無責任な所業」と大田原市教委に強く抗議し、採択の撤回とやり直しを求めました。

【出典参考】2011年7月16日付け「しんぶん赤旗」など

※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/
■「とだ九条の会」ブログのバックナンバー一覧はこちらが便利です。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/blogmokuji.html
■「とだ九条の会」ツイッターのアドレス
http://twitter.com/toda9jo

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする