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イラク「大量破壊兵器」に関する米高官のウソ935回

2008年02月04日 | 国際・政治
このほど、米政府高官らを対象に調査を続けている「センター・フォー・パブリック・インテグリティー」(本部ワシントン)が1月23日に明らかにした報告で、イラクのフセイン政権が「大量破壊兵器」を保有していたとする「虚偽発言」の数が、ブッシュ大統領と7人の米政府高官をあわせて、総計935回に上っていたと発表しました。

この調査は、2001年の9・11同時多発テロ事件後の2年間の公の演説、メディアへの説明や議会証言などを分析したもので、その回数が明らかにされたのは今回が初めてです。

対象は、ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、パウエル国務長官(当時)、ラムズフェルド国防長官(当時)、ウルフォウィッツ国防副長官(当時)、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当・当時)、フレイシャー・ホワイトハウス報道官(当時)、マクレラン同報道官(当時)の計8名で、これらの高官が、「イラクの大量破壊兵器の保有(および取得の試み)」と「イラクとアルカイダの結びつき」を言明したのは、「個別の機会で少なくとも532回」だということです。
「虚偽発言」を最も多く行ったのは、ブッシュ大統領の260回。パウエル国務長官(当時)が254回と続き、「イラクの大量破壊兵器保有」発言に限っては、ブッシュ、パウエルの両氏に続き、ラムズフェルドとフレイシャーの両氏が109回、ウルフォウィッツが85回、ライス56回、チェイニー48回、マクレラン14回というものです。
また、その回数は、ブッシュ大統領が対イラク武力行使容認決議の政府案を議会に提出した2002年の9月から急に激増しているとし、さらに、パウエル国務長官(当時)が国連安保理でイラクの「大量破壊兵器の保有」は「疑いの余地がない」と発言した2003年2月には140回とピークに達したことを報告しています。

しかし、その後、こうした“戦争の口実”が次々と崩れ、ブッシュ大統領は2005年12月には、国民向け演説で、「情報の大半は間違いだと判明した」「大統領としてイラク開戦の決定に責任がある」と釈明を行わざるを得ませんでした。
今回、調査をした「センター・フォー・パブリック・インテグリティー」のチャールズ・ルイス氏は、「ホワイトハウスの内側で正確には何が起こっていたのかの議会の調査さえない」とし、「ブッシュと他の高官たちは、これまでのところ、虚偽の発言を繰り返したことに関する責任への厳しい追及を免れている」と批判したということです。

こうしたブッシュ大統領や米政府高官の発言を鵜呑みにし、米国いいなりでイラク戦争に加担した我が国の小泉元首相はじめ自公政権は、その責任の大きさを自覚するべきです。


【出典】『しんぶん赤旗』1月26日付け

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