とだ九条の会blog

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憲法59条の「再可決」を考える(1)

2008年02月01日 | 国際・政治
参院本会議で否決された「新テロ特措法案」は、1月11日、開かれた衆院本会議で、与党・自公両党により再議決動議が提出され、3分の2以上の賛成で「再可決」成立しました。そして早くも1月24日、約2ヵ月ぶりにインド洋での給油活動を再開するために、護衛艦「むらさめ」が海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)を、25日には補給艦「おうみ」が佐世保基地(長崎県佐世保市)を出港しました。
今回の「再可決」は、憲法59条の「法律案は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる」、「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる」という条項にもとづき実施されました。
この憲法59条による「再可決」をどのように理解するか--憲法会議刊『月刊 憲法運動』08年1月号から一橋大学名誉教授・杉原泰雄氏が解説していますので、概要をご紹介します。(文責:サイト管理者)

憲法59条は、先の条項以外に、3項として「前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない」、4項として「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」という規定を持っています。
つまり杉原氏は、この60日たてば参議院が否決したと同じとみなすことについて、その場合は憲法59条では2つの選択肢を持っている、一つは両院協議会を開いて協議会案をつくること、もう一つが衆議院で3分の2の多数で再度可決するかだとしつつ、両院協議会の方を選択して、それがうまく行かなかった場合に衆議院で単独再可決の手続きに訴えることは現在、許されないことになっているようだと指摘しています。しかし、憲法学者の中にも「衆議院は参議院より優越しているのだから、両院協議会の手続きがうまく行かなかった場合には、再可決の手続きを認めてもいいのではないか」という人がいるなど、このケースをどう理解したらよいかという問題に言及しています。
当ブログでも、杉原氏の解明をご紹介しながら、今回のこの「再可決」について考えてみたいと思います。(つづく)

【出典】『月刊 憲法運動』08年1月号(一橋大学名誉教授・杉原泰雄さんに聞く、憲法会議刊、381円+税)

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