「この出入証を見てください。『慰安所』は日本軍と関係なかったとは言わせません」と語るのは、「しんぶん赤旗」社会部取材班が元日本兵の証言の数々を取材し一冊にまとめた『元日本兵が語る「大東亜戦争」の真相』の一証言です。千葉県に住む松原勝さん(81歳)が、西太平洋のトラック諸島に浮かぶ夏島(現デュプロン島)にあった二つの「慰安所」のうちの一つ『南国寮』に出入りできる出入証を手に告発しました。出入証には海軍の発行を証明する赤い二重の波線が確かにあり、「慰安婦」の存在は日本政府も認めた事実です。
松原さんが『南国寮』の存在を知ったのは、1943年11月。高床式の建物で、長い廊下の両脇に十ずつ部屋があり、突き当りにはトイレがあって、部屋には番号がついていて「慰安婦」にされた女性たちが一人ずつ入れられていたそうです。島には100人以上の「慰安婦」がいて、その7割が朝鮮半島から連れてこられた女性、3割は日本人だったといいます。誰もが「高級将校のメイドとして雇う」とか「レストランの給仕にしてやる」と騙されて無理やり連れてこられたということでした。一日十数人もの相手をさせられていたといい、凄惨な境遇でした。
その“歴史の事実”に「古今東西、『慰安婦』はいても『従軍慰安婦』はいない。兵のいるところ(『慰安婦』が)集まって来たり、兵を追いかけて民間業者が連れていったりするのであって、軍そのものが連れて行くなんてことは絶対にない」とのうのうと発言した知事がいます。わが埼玉県の上田清司知事です。6月27日の県議会本会議で自民党の小島信昭議員の一般質問に答えたもの。
さらに小島議員が「県立歴史と民俗の博物館」と「県平和資料館」の展示内容について質問したのに対し、「『従軍慰安婦』について間違った記述があるので、修正しなければならない」と答弁しました。
日本政府は1993年8月、河野洋平官房長官《当時》が談話を発表し、『慰安婦』問題については、日本軍の関与を認めています。上田知事はこの政府見解をどのように認識しているのでしょうか。
また、この質問をした小島議員(自民党)は、自分が来賓として出席した県立高校の卒業式で「日の丸」掲揚・「君が代」斉唱について起立・斉唱しなかった教師がいたとし、「心無い教師の行動で、神聖で感動的な卒業式が台無しになった。公の式典で反対の意思を示すばかりか、他の出席者に“歌うな”と言わんばかりの行動は、他の出席者の“内心の自由”を侵している」と非難。東京都などを例に「違反者には厳しい対応を」と的外れな主張しました。これに対し、県の島村和男教育長は、「厳粛な儀式にふさわしくない行動をとった者に対し、状況によっては処分を視野に入れて対応を検討する」と同調する答弁をしました。
なんたることでしょうか。戸田市でも民主党の高橋秀樹市議の同様の不起立問題で「教育委員会は保護者・来賓をどう指導しているか」との質問に対し、伊藤良一教育長が後で発言を撤回したものの「腹が煮え繰り返る」と暴言をはいた上、「(起立しなかった来賓を)調査する」と答弁したばかりです。
「埼玉県知事よ、おまえもか」――ついに来るところまで来たという感じです。
上田知事も島村教育長も発言を撤回すべきです。
※『元日本兵が語る「大東亜戦争」の真相』「しんぶん赤旗」社会部取材班:編(日本共産党中央委員会出版局:刊)定価:400円(本体381円+税)
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/
松原さんが『南国寮』の存在を知ったのは、1943年11月。高床式の建物で、長い廊下の両脇に十ずつ部屋があり、突き当りにはトイレがあって、部屋には番号がついていて「慰安婦」にされた女性たちが一人ずつ入れられていたそうです。島には100人以上の「慰安婦」がいて、その7割が朝鮮半島から連れてこられた女性、3割は日本人だったといいます。誰もが「高級将校のメイドとして雇う」とか「レストランの給仕にしてやる」と騙されて無理やり連れてこられたということでした。一日十数人もの相手をさせられていたといい、凄惨な境遇でした。
その“歴史の事実”に「古今東西、『慰安婦』はいても『従軍慰安婦』はいない。兵のいるところ(『慰安婦』が)集まって来たり、兵を追いかけて民間業者が連れていったりするのであって、軍そのものが連れて行くなんてことは絶対にない」とのうのうと発言した知事がいます。わが埼玉県の上田清司知事です。6月27日の県議会本会議で自民党の小島信昭議員の一般質問に答えたもの。
さらに小島議員が「県立歴史と民俗の博物館」と「県平和資料館」の展示内容について質問したのに対し、「『従軍慰安婦』について間違った記述があるので、修正しなければならない」と答弁しました。
日本政府は1993年8月、河野洋平官房長官《当時》が談話を発表し、『慰安婦』問題については、日本軍の関与を認めています。上田知事はこの政府見解をどのように認識しているのでしょうか。
また、この質問をした小島議員(自民党)は、自分が来賓として出席した県立高校の卒業式で「日の丸」掲揚・「君が代」斉唱について起立・斉唱しなかった教師がいたとし、「心無い教師の行動で、神聖で感動的な卒業式が台無しになった。公の式典で反対の意思を示すばかりか、他の出席者に“歌うな”と言わんばかりの行動は、他の出席者の“内心の自由”を侵している」と非難。東京都などを例に「違反者には厳しい対応を」と的外れな主張しました。これに対し、県の島村和男教育長は、「厳粛な儀式にふさわしくない行動をとった者に対し、状況によっては処分を視野に入れて対応を検討する」と同調する答弁をしました。
なんたることでしょうか。戸田市でも民主党の高橋秀樹市議の同様の不起立問題で「教育委員会は保護者・来賓をどう指導しているか」との質問に対し、伊藤良一教育長が後で発言を撤回したものの「腹が煮え繰り返る」と暴言をはいた上、「(起立しなかった来賓を)調査する」と答弁したばかりです。
「埼玉県知事よ、おまえもか」――ついに来るところまで来たという感じです。
上田知事も島村教育長も発言を撤回すべきです。
※『元日本兵が語る「大東亜戦争」の真相』「しんぶん赤旗」社会部取材班:編(日本共産党中央委員会出版局:刊)定価:400円(本体381円+税)
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/