京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

上賀茂社家町から植物園へ散歩

2014-09-17 05:39:08 | 京都めぐり

連休中の朝の散歩、二日目です。
コースは、上賀茂社家町から植物園としました。
社家町は室町時代から続く、上賀茂神社の神官の屋敷町です。
明神川に架かる橋、川沿いの土塀や門などの景観は、
なかなか趣があり、京都市の伝統的建物群保存地区に指定されています。





西村家の門(有料公開しています)です。




遠くに見えるのは比叡山です。





社家町から、賀茂川河川敷を南下し、北山通りの植物園に向かいます。
春、この河川敷は、満開の桜のアーチとなります。
私の春の散歩では、大好きなコースのひとつです。
北山通りから北大路通りの河川敷は、半木の道と呼ばれ、
ここの桜もとても美しく、有名です。

植物園に入りまーす。
私の気に入ったお花をアップします。

観覧温室の池に咲く睡蓮、まだ、きれいに咲いていました。
睡蓮は好きな花ですので、画像は多くなりますが、お許しください。











































池の中にオオイズミオジギソウの花が





カンナが青空に映えてとてもきれいです。





ジンジャー





絶滅危惧種のマツムラソウ





ギボウシ





キヨズミギボウシ





コバギボウシ






ミズアオイ





ナンバルギセル(別名 思草 オモイソウ)
古くは万葉集にも登場する一年草の寄生植物
『道辺の尾花が下の思ひ草 今さらになど物が思わむ』万葉集(巻十)





ご存じのススキ





ショウロウクサギ





キレンゲショウマ





シャガ




彼岸花、植物園のあちこちに咲いていました。
私としては、田んぼの畦道に彼岸花の方が好きです。
彼岸花の根は毒があり、もぐらから作物を守るために、
農家の方々が、田んぼの畦道に植えたと聞いたことがあります。





「四季彩りの丘」です。








蝶々発見、飛び立たぬ間に一枚





オオケダテ





もう終わっていると思っていましたが、
まだ蓮の花が残っていました。














結構な歩数になりましたので、帰宅しまーす。














北嵯峨の稲刈りと案山子ワールド

2014-09-16 05:26:36 | 京都めぐり

この三連休、京都は絶好の秋晴れに恵まれました。
朝のうちは気温も低く、京都散策には最適でした。

日曜日の朝、向かったのは先日訪れたばかりの北嵯峨です。
先日の散策で、稲穂が黄金色になっていましたので、
そろそろ、稲刈りではと思った次第です。


北嵯峨の田んぼは、予想通り稲刈りが行われていました。
稲刈りをじっくり見るのは、いつ以来でしょう。
幼少の頃、見よう見まねで稲刈りをしたことが、思い出されました。



稲刈りがはじまった北嵯峨の景色




頭を垂れる稲穂





あちこちの田んぼで稲刈りです。
今は当然なのでしょうが、どこも機械です。




















先日も画像をアップしましたが、彼岸花が見頃になってきました。




















田んぼの近くに咲いていた花も紹介しましょう。


























オクラの花です。





ここの田んぼは、案山子ワールドです。





酒づくりのお米が鳥に食べられないように、立てているそうです。





クマモンらしき、案山子もあります。










帰り道、渡月橋に寄りました。
定番の場所からの一枚です。





明日も連休中の散策の模様をお届けします。








『李禹煥(リ ウファ ン)の挑戦』日曜美術館

2014-09-15 05:23:05 | 美術・博物館


今回の日曜美術館は、『ベルサイユにアートの虹を架けるー 李禹煥の挑戦 』です。





舞台はベルサイユ宮殿の庭園




シンメトリーな幾何学的構図、計算され尽くした池や樹木の配置、
ルイ14世がル・ノートルに作らせたフランス式庭園の傑作です。





今年6月、ベルサイユ宮殿で巨大な彫刻作品の個展が開催されています。
年に一度、ひとりのアーティストを招聘し、
その作品を展示する大規模なアートプロジェクトです。
7回目の今年、選ばれたのが、李 禹煥というわけです。





李禹煥は、 韓国の山村で生まれ、20歳で来日します。
戦後日本の前衛グループ「もの派」のアーティストとして、
日本の現代美術を牽引してきました。
これまで「出会い」というコンセプトによる、
鉄板と石を組み合わせたシンプルな抽象作品で知られています。





石や紙、綿や鉄などの素材をただ並べて見せることで、
物質のもつ意味、美術とはなにかを問いかけるというものです。






李 禹煥が 今回、ベルサイユ宮殿の庭園に、
展示した作品はステンレス、鉄、石などを使ったものです。
「もの派」の代表的素材と言えるでしょう。


宮殿の前に、虹のように高々と弧を描く、
高さ12 メートルの「ベルサイユのアーチ」





北斗七星をイメージした、鉄板と7つの石に よる作品「星の影」





緑の並木道で向き合う鉄と石「対話Z」





花々が咲き乱れる花壇の横に鉄板と石「対話 X」





宮殿の前にまっすぐにのびる緑の芝生。
王の散歩道、緑の絨毯と呼ばれるところに、
ゆるやかにカーブする、ステンレスを配置した「風の羽根」












宮殿前の空間に大きな石と鉄の作品「タイタン杖」





アポロンの水浴の樹木庭園に「ル・ノートルへのオマージュ」
地面を掘り、中に石を置いている。
まるで墓石のようです。





宮殿内部に置かれた作品「綿の壁」





番組は、瀬戸内海の直島の「李 禹煥美術館」の紹介もしています。





以前、私のブログでも日曜美術館アートの旅で紹介しました。
その時、感想を書きました。
「私は、李 禹煥の記号のような作品は好きではありません。
世界的に有名なアーティストのようですが、私には理解不能です」と。

今回のベルサイユ宮殿の庭園に展示された作品も、
率直に言って、あまり魅力を感じません。

芸術は人それぞれの感性ですから、
素晴らしいと思われる方もおられるでしょう。
しかし、少なくとも私は、「もの派」も含めて評価しえないのです






京都国立博物館 平成知新館 オープン

2014-09-14 05:23:31 | 美術・博物館

京都国立博物館 「平成知新館」が昨日オープンしました。
長い間、まだかまだかと待ちわびていた私は、
早速、初日に行ってきました。





着いたのは、開館9時半の30分前でしたが、
すでに、長い行列ができていました。
皆さん、同じように待ちわびていたのでしょう。





私の後ろにも、まだまだ続く長い列





「平成知新館」の周りは、水に浮いているイメージでしょうか。
佐川美術館を思い浮かべます。
京都タワーも見えます。





今回は、 「平成知新館」 オープン記念、「京へのいざない」です。
国宝、重文がぞろぞろ公開されています。

各階の展示は以下の通りです。
1階 彫刻、絵巻、書跡、染色、金工、漆工
2階 特別展示室、仏画、中世絵画、近世絵画、中国絵画
3階 陶磁、考古

特別展示室では、教科書に出てくる、国宝「伝 源頼朝像」、
国宝「伝 平重盛像」をはじめ、重文の数々です。
画像は悪いですが、館内でいただいたパンフレットの写真です。

国宝「伝 源頼朝像」




絵巻では、国宝 「一遍聖絵」、国宝「法然上人絵伝」、
国宝「餓鬼草子」など、国宝と重文が次々展示されています。
仏画も多くの国宝が展示されています。
国宝「 阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」が気に入りました。

国宝「 阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」






国宝「餓鬼草子」





書跡では、国宝「古今和歌集第十二残巻(本阿弥切)」、
など国宝が5点と数々の重文です。

国宝「古今和歌集第十二残巻(本阿弥切)」





国宝「餓鬼草子」





中世絵画では、国宝「瓢鮎図」、雪舟の国宝「天橋立図」、
「山水図」も展示されています。
久々に雪舟と対面し、感動です。

国宝「瓢鮎図」






国宝 雪舟「天橋立図」





「祇園祭祭礼図屏風」









重文「舞踊図屏風」





展示室は写真撮影禁止ですので、館内の様子を、
少し紹介しましょう。

2階館内より、外の風景









1階ショップ及び休憩所(2階から撮影)





1階のホール(通路)
細川 護熙 筆 「四季山水図」
こういう作品見ると、細川さんは、
政治の世界に色気を出さない方がいいと思うのですが、、、。





今回は、人が多すぎて、ゆっくり観ることができません。
少し日をおいて、平日の朝にもう一度訪れたいと思います。


平成知新館の利用料金は、一般は520円ですが、
18歳、高校生以下と70歳以上は無料です。
ずいぶん、太っ腹です。

京都にお住まいの方も、他府県の方にも、是非お薦めです。
普段、なかなかお目にかかれない、国宝や重文の数々に、
じっくり浸れる貴重な展示会です。




北嵯峨散策、今年初の彼岸花

2014-09-13 05:22:54 | 京都めぐり

まだ、北海道などでは、大雨が続いているようですが、
昨日、京都はやっと、穏やかな初秋の朝となりました。
絶好の散策日和です。

そろそろ、彼岸花が咲き始めてもいい頃とではと思い、
北嵯峨を散策することにしました。

北嵯峨の田園風景は、おそらく、平安時代の頃からあまり、
変わっていないのではと思わせる、長閑な景色です。





稲穂が倒れかけています。
前日の雨の影響でしょうか、それとも、
そろそろ、稲刈りのサインなのでしょうか。





稲穂が実る田園の中を、のんびり歩きます。
途中、道端の花や気に入った景色を見ては足を止めます。
頬にあたる秋風が、実に気持ちよいのです。

久しぶりに、案山子を見ました。




田んぼの畦道に、彼岸花を見つけました。
これこそ、望んでいた光景です。
今日の散策の目標達成です。




















下からのアングルで撮って見ました。
お気に入りの一枚です。











何度も言いますが、実に長閑です。
京都の観光地のすぐ近くに、こんな素晴らしい景色が、
あることに驚きです。
稲刈り前のいまの時期が、一番好きです。





広沢の池の近くに来ました。










広沢の池の水面には嵯峨富士の名をもつ、遍照寺山が映し出されています。
大好きな景色の一つです。










今回もとてもよい朝の散策になりました。












『バカラ展』 『吉岡幸雄の世界』高島屋

2014-09-12 05:24:15 | 美術・博物館

高島屋で、『創設250周年 バカラ展 永遠のきらめき』
が開催 (9/11ー15) されています。





多くの方がご存知のように、バカラ (Baccarat)は、
フランスのクリスタルブラ ンドとして、世界的に有名です。
世界各国の王室御用達の商品と言っていいでしょう。

250年間、世界の人びとを魅了してきた、バカラの商品、
テーブルウェア(各種グラスやデキャンタ等)、アクセサリー、
花瓶、香水瓶、置物、シャンデリアなどが、展示販売されています。
価格は数万円から数百万円です。





私は、目の肥やしに行ってきました。
光沢溢れるクリスタル、見事なカット、気品ある色合い、実に美しい。
バカラは本来、生活雑貨ですが、美術品のようです。

以前なら、それほど高くない商品なら、欲しかったと思います。
でも定年退職後は、できるだけ居住まいはシンプルにと考え、
飾っておくだけのような物は、買わないようにしています。

以前、購入収集していた絵画なども、今は贈り物などにして、
少しずつ、手放しています。
これから、何十年も生きられるわけではなし、
いつまでも、未練がましく、
後生大事にしておくのはみっともないと思うからです。


高島屋の同じ七階フロアで、
『日本の色 吉岡幸雄の世界 ~カッシーナ・源氏物語との 出合い~ 』
も開催(9/10ー15)されていました。

吉岡さんは、江戸時代から、五代を重ねる京都の老舗染司です。
今回、吉岡さんが、染め上げた生地で、源氏物語の世界を表現しています。
源氏物語に色を添えれば、こんな世界になるのかと、
物語の世界がぐっと、視覚的に広がります。

ここには、素晴らしい日本の美があります。
女性の方に人気のようですが、見渡せば男性は私一人でした。

ところで、カッシーナは、イタリアの高級家具ブランドです。
吉岡さんの作品の横で、高級家具を展示しているのですが、
私には違和感しか感じられませんでした。
企画の意図がわかりません。








梨木神社の萩、山紫水明処

2014-09-11 05:22:44 | 京都めぐり


梨木神社は「萩の宮」ともいわれ、
京都を代表する萩の名所として知られています。
約500株の萩 が境内一面に咲き誇ります。
毎年9月に行われる「萩まつり」の日には、
参道から社殿前まで咲きみだれる萩の花を愛でる参拝者で賑わいます。

境内の萩には献詠された短冊が下げられ、
拝殿で献華式、弓術披露、狂言、舞、琴、
尺八などの奉納行事が行われます。
今年の萩まつりは、9月20日~23日です。

私は、だいたい毎年訪れています。
今回は、萩の見頃にはまだ早いと思いましたが、訪れてみました。


本殿前の景色です。





本殿の周囲や参道も、たくさんの萩が植えられています。
まだ見頃には早いですが、咲き始めの萩を紹介しましょう。































梨木神社は、染井の名水でも有名です。
この場所は、9世紀後半の平安時代、権勢を振るった藤原良房の娘、
明子の里御所の跡です。
この良房の屋敷を染殿と称し、宮中でも、
ここの水が用いられたそうです。
京都三名水の内、現存する唯一の名水と知られています。
朝から、ここの水を汲む人の列が絶えたことはありません。





梨木神社から、南下し、鴨川丸太町の頼三陽の住居跡に寄りました。

鴨川から撮影




玄関の石碑




頼 山陽は、江戸時代後期の歴史家、思想家です。
主著に『日本外史』があ り、幕末の尊皇攘夷運動に影響を与えました。

頼山陽はこの旧宅を、「山紫水明処」と名付けました。
京都への賛辞と言えます。
ここから見える、比叡の山と東山三十六の峰々が、
実に趣があるのです。
そして、すぐ目の前の鴨川の水は、明るいのです。

1960年代の景色




今は、当時より高い建物が建ち、東山の稜線が見えにくいです。





北に目をやれば、北山の稜線がよく見えます。










兼好法師の双ケ丘から仁和寺へ

2014-09-10 05:32:22 | 京都めぐり


昨夜の満月、19時過ぎまで雲間にあり、
やきもきしましたが、その後きれいな満月を見せてくれました。
画像は、昨晩アップしました。

今日は、日曜日の朝の散歩を投稿します。
国の名勝に指定されている双ケ丘から、
世界遺産仁和寺のコースにしました。
不安定な日が続いていたのですが、当日はすっきり青空、
絶好の散歩日和となりました。


双ケ丘の全体写真





双ケ丘は、右京区の御室にある丘陵で、標高116mの一ノ丘、
それより低い二ノ丘、三ノ丘の三つの丘が並んでいます。
そこから、双ケ丘 と呼ばれているようです。
東に妙心寺,法金剛院,北に仁和寺が近くにあります。

ところで、この 双ケ丘は、大阪のあべのハルカスの300m、
東京の霞ヶ関ビル147mより低いのですよ。


京都市の上空画像です。




この双ケ丘は、古代の渡来系氏族秦氏の奥津城(墓)だったようです。
三つの丘の山腹には、なんと19基の古墳が確認されています。

都が京都に移されると、天皇の鷹狩の禁野地となりました。
また、風光明媚さから、貴族の別荘地にもなったそうです。

現在は、散策路が整備され、多くの市民が訪れる場所です。
私も以前、妻と散策のついでに登りました。
頂上から見える、京都市内の眺望は素晴らしいです。
さらに、北に目をやると、仁和寺の五重塔が見えます。

この間、体調不良だったため、今回は頂上に登らず、
周辺を歩いただけにし、仁和寺に向かいました。

双ケ丘と言えば、「徒然草」好きな方なら、よく御存知の場所です。
吉田兼好が、ここの麓に庵を構え、「徒然草」を書いたと云われています。

つれづれなるまゝに、日暮らし、硯(すずり)に向ひて、
心に移り行くよしなしごと を、そこはかとなく書きつくれば、
怪しうこそ物狂(ものぐる)ほしけれ。(上段)

兼好の居住跡とされる長泉寺が近くにあり、
墓と伝えられる塚があるそうです。
非公開寺院のため、私は確認できていません。











少し歩くと、嵐電御室駅が見えてきます。
レトロで小さな駅です。





駅前から仁和寺が見えます。






仁和寺の山門から見える 双ケ丘の景色です。





山門を抜けると、青空に映えた勅使門がきれいです。





上を見上げると、染井吉野の桜の紅葉





二王門です。





遅咲きで有名な御室桜です。





この桜、地面のすぐ上から枝が伸び、花をつけます。





五重塔です。




一部紅葉しています。





五重塔の周辺には、キノコがあちこちに見えます。















金堂です。





一部だけ紅葉の葉っぱ





金堂前の参道、少し紅葉しています。





御殿の中も少し紹介しましょう。
宸殿南庭





白書院の襖絵










宸殿北庭
ダイナミックな庭です。










宸殿内部

















いい散歩でした。
兼好法師の徒然草に書かれている情景、
よく出てくる仁和寺の法師のことも思いだしながら、、、。

仁和寺でも、秋の気配を味わうことができました。



















昨夜の中秋の名月いかがでしたか?

2014-09-09 05:31:35 | 京都めぐり

毎年、九月に入ると中秋の名月が待ち遠しくなります。
今年こそは、いつもと違う趣向で、月見をしたいと思ったのですが、
結局は、わが家からの観月となりました。

平安の貴族は、月を直接見上げるのではなく、
池に船を浮かべ、池の水面や杯に月を映して楽しんだそうです。
嵯峨大覚寺では、いまも「観月の夕 べ」が催されます。

銀閣寺の庭には、白砂を台形に固めた 向月台があります。
月待山に上る月の光で、 向月台と 銀沙灘の庭を観賞したのでしょうか。
私も一度は、見てみたいと思うのですが、、、、、。

また、桂離宮には「月見台」があります。
いにしえの人は、現代の私たちより、遥かに、
さまざまな趣向で、月を楽しんだようです。

日曜日の午後、いつもお世話になっている、
妙心寺の塔頭寺院の会合に参加しました。

ご住職の提唱(『臨済録』)が終わり、茶礼となります。
「中秋」というお菓子が出され、
みなさんと、美味しくいただきました。





中秋の名月には、旬の物をお供えするのですよ、とご住職のお話。
昔は、里芋だったそうです。
そう言えば、十五夜は「芋名月」とも呼ばれていますね。

お月見は、直接月を見るより、池に浮かぶ月を見たり、
手水鉢やつくばいに映る月を見たりする方が、
風情があっていいですね。
また、雲間の月こそ美しい。
見えない部分を、心の豊かさで補うのを良しとする方もいます。


自宅から、19時頃撮影のお月様です。
幼少の頃、ウサギが餅つきしていると聞いたのですが、
そう見えないですね。

みなさまの、お月見はいかがだったですか?
ところで、満月は9日だそうですよ。





参考に、7日のお月様です。
21時頃の撮影です。
















『ガレに挑んだドーム兄弟』日曜美術館

2014-09-08 05:23:29 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は、 『ガラスの巨人を超えろ~ガレに挑んだドーム兄弟~』です。




19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に開花した、
国際的な美術運動、 アール・ヌーヴォー。
花や植物などの有機的なモチーフ、自由曲線の組み合わせなど、
従来の様式に囚われない装飾性 が魅力です。
ガラス工芸の分野では、 エミール・ガレやドーム兄弟が有名です。

フランス北部、ナンシーはガレやドーム兄弟が生涯活動の場とした街です。





この街、ナンシー市立美術館にドーム兄弟の作品が展示されています。










ドーム「花瓶 収穫月」
収穫の季節を迎えた田園の風景
木々が色づいている様子を細やかに表現しています。






ドーム「花瓶 ヤマブドウ」
紅葉した枝に小さ実をつけたヤマブドウ






ドーム兄弟は、1870年の普仏戦争で故郷を追われ、新天地ナンシーでガラス工場の経営を始めます。





その時、手本としたのがガレでした。
ガレはアールヌーボーの先駆者として、独創的な作品を、
世に送り出していました。





ガレ「ひとよ茸文花瓶」
森の奥深く、一晩だけ命を咲かせ、土に帰る ひとよ茸
詩のような絵画のような花瓶です。





ドーム兄弟はアールヌーボーの流行を見抜き、デザイン専門の工房を立ち上げます。

ドーム「チューリップ文花瓶」
花びらが開くチューリップを型どった初期の傑作です。





シカゴ万博国際展覧会出品作
「 鷲文花瓶 アレリオン」
国際デビューした作品です。鷲を大胆にデザインしたものです。





「鷺に水草文三耳花瓶」
ジャポニズムの影響を受けた作品です。
水辺を舞う鷺の群れ、水墨画の世界のようです。





ドーム兄弟は、わずか数年で大きな成功をおさめました。
ここの美術館には、アールヌーボーの作品が多く展示されています。





ドームのランプ
ガラス製の傘を見てください。
緑の葉っぱが日差しを受けてうっすらと透けているデザインです。





ガレのランプ
こちらも、ガラスの傘を草花の模様で飾り、光に浮かび上がらせているデザインです。
どちらも雰囲気がよく似ています。





ドームの作品は、ガレの物真似ではないかという批判が起こります。
ドームにしかできないデザインとはなにか、苦闘がはじまります。


ガレ「蜻蛉にカエル文扁壺」
光だけでなく、闇までも表現するガレ。





ガレ「蘭文八角扁壺 親愛」





ガレ「百合文水差 暗闇の花」
夜明けか黄昏時か、薄暗い湖に百合の花が浮かび上がっています。





ガレは自然を芸術的に捉えようとしましたが、
ドーム兄弟は模索し、身近にあるおだやかな自然をモチーフにする決意をします。
誰もが感じる自然の美しさをわかりやすく表現しようとしたのです。


ドーム「紫陽花文花瓶」
紫陽花が醸し出す初夏の気配










ドーム「春草文花瓶」
春、咲き誇る花が、風に揺れています。
なんと穏やかな心和む作品です。










ドーム「藤文筒型大花瓶」
ピンクの背景に映える真っ白な藤の花
美しいそして、優しいドームの世界です。










ドーム兄弟は、パリ万博に出品します。





そこには、対決心を燃やしたガレも作品をだしたのです。

ガレ「水仙文花瓶」





ドーム「カモメに帆船文花瓶」
カモメが翼を広げた下に帆船が透けて見えます。





ドーム「アネモネ文花瓶」
朝靄に浮かび上がるアネモネのようです。





対決の結果は、両者がともにグランプリをわけあったのです。

ガレはこの結果が大いに不満だったそうです、、、。
ドームにとっては、快挙でした。
やっと、ガレと肩を並べることができたのです。

ドーム「花瓶 ナナカマド」
万博の後に作られた作品です。










ドーム「風景文脚付双耳花瓶」
花瓶というより、一幅の絵画を見ているようです。








天然記念物 深泥池

2014-09-07 05:28:41 | 京都めぐり

昨日の朝は、久しぶりに良い天気となりました。
この間、私の体調不良と、梅雨のような日が続いて、
思うように散歩ができずにいました。
そこで気晴らしに、深泥池(みどろがいけ)まで足を伸ばしました。

深泥池は、京都市内の北にある周囲1.5kmの小さな 池です。





この池には、西日本の平坦地では珍しい浮島があります。
また、氷河期以来 の動植物が、今も生き続けていることから、
昭和2年に国の天然記念物に指定されています。

京都に都がおかれる、ずっと以前からの太古の景色が、
変わらずに、平成の現在も見られるのは、不思議な気もいたします。

深泥池の周辺は、病院や民家が建てこんでいますが、
夜、池のまわりは独特の淋しい雰囲気になります。

そのせいでもないのでしょうが、
平安京の頃には、大蛇が棲むという話があったり、
近年でも、タクシー乗客の女性が突然消えた事件が、
新聞で取り上げられたこともあります。
京都市民には、深泥池といえば、
そういう話の方がよく知られています。










帰り道、植物園に立ち寄りました(近いのです)。
でも陽射しが強く、広い園内を歩く気力が起きず、
「四季 彩の丘」と北山門付近だけにしました。
歩きながらの撮影ですが、御覧ください。

まだ、睡蓮が咲いていました。










蓮の花も残っています。










小さな丘の斜面一面に植えられたガウラ(ヤマモモソウ)。










気の向くまま、撮影した草花です。





















































昼前には帰宅し、体を休めていると、突然の強い雨です。
落ち着いた秋晴れの天気になって欲しいものです。





生誕130年 竹久夢二展

2014-09-06 05:25:42 | 美術・博物館


昨日、高島屋に買い物に行った際、
『生誕130年 竹久夢二展』(8/27ー9/8)に寄ってきました。





今回の展示会は、「大正ロマンを代表する詩人画家
竹久夢二(1884ー1934)の生誕130年を記念」したものです。
夢二の幅広い作品以外に、19世紀末にパリで活躍した、
ロートレック(1864ー1901)の作品も展示されています。

この展示会は、NHK日曜美術館アートシーンでも取り上げられました。
画像とともに、紹介しましょう。


明治17年、岡山に生まれた夢二は、美人画だけでなく、
本の装丁から、小物デザインまで幅広く活躍しました。




二十歳の時、雑誌の懸賞で一等賞を取った絵。
ここから、画家の道を歩み始めます。





「林檎」
瞳の大きな美人は、妻のたまきがモデルです。
夢二の美人画は、一世を風靡し、仕草をまねる
女性があらわれるほどでした。





「秋のいこい」
木の葉が舞い落ちるなか、物思いにふける女性
とろんとした眼差しの女性は、夢二式美人と呼ばれ、
大正時代に大変な人気となりました。





大正三年、夢二はたまきを店主に、港屋を開店します。





自分がデザインした日曜雑貨を直接売ったのです。
草花をモチーフにした千代紙などが若い女性たちをとりこにします。










夢二は、海外の雑誌などを切り抜き、スクラップしていました。
そのなかに、19世紀フランスの画家、
ロートレックの絵も貼られていました。





ロートレック作品





ロートレックに刺激を受けた作品






夢二の展示会は、私の若いときから、京都でも何度も開催され、
私も何度か足を運んできました。

私の率直な感想ですが、夢二の絵は、いわゆる絵画としての、
画量は低く、基礎的な描写力に欠けています。
美術学校等で、基礎的な力を身につけていないためだと思われます。

でも、なぜか魅力があるのも夢二の真骨頂です。
夢二は、もの憂げな眼差し、ほんのり色香の漂う女性を、
独特のタッチで描いています。
夢二にしか描けない世界であることに間違いはないです。

今でも、ある程度年齢の召した女性に人気だと思います。
私が訪れたときも、オバサマ方の多いこと、びっくりします。
そして、会場を出た特設売り場では、
夢二作品の絵はがきや小物を購入し、会計を待つ長い列ができていました。

以下はパンフレットの画像

「想い(女)」昭和初期






「想い(男)」昭和初期





ロートレック





秋探し 嵯峨野散策 落柿舎と竹林

2014-09-05 05:22:44 | 京都めぐり

一昨日の嵯峨野散策の続きです。
常寂光寺を拝観し、向かったのは、すぐ近くの落柿舎です。
ここは、蕉門十哲の一人、向井去来の閑居跡です。
庭には、去来(1651ー1704)が詠んだ
『柿主や 梢はちかき あらし山 』 の句碑があります。

落柿舎全景
赤とピンクのサルスベリがきれいです。




一部紅葉しています。





去来が閑居から見たであろう景色です。
今は民家が建てこんでいますが、、、、。
当時は何もなかったのではないでしょうか。





竹林に向かう途中、見つけた草花
ススキを見ると初秋ですね。





ムラサキシキブ、わが家のはまだです。






ヒマワリも咲いていました。










竹林です。





朝陽さす、竹林の景色






やはり、竹林は美しいと思う。





最後に嵐山大堰川の景色を一枚
濃い緑の山肌から、少し変化しているのがお分かりいただけるでしょうか。


















秋探し 嵯峨野常寂光寺 編

2014-09-04 05:14:47 | 京都めぐり

この間、気温が一気に下ったせいか、
季節は完全に、夏から初秋の趣になってきました。
秋の長雨のような不安定な日が続いています。
昨日は、午前中は晴れ間も出るとの予報でしたので、
嵯峨野散策を思い立ち、常寂光寺 に行ってきました。

ここは、私の好きな場所の一つで、青葉と紅葉の頃に毎年訪れます。
現在、本堂が全面工事中ですが、ここの見所は、
仁王門や多宝塔の景色です。

私が歩いた順に画像を紹介します。

拝観時間の9時に中に入ります。
まず、見えてくる景色、仁王門です。











仁王門をくぐると見えてくる景色です。





本堂に向かう階段をゆっくり登ります。





階段中腹の仁王門です。






階段を登りきった仁王門の景色





途中見つけた落葉一枚





京都市内の眺望です。






本堂は工事中ですが、庭園は見ることができます。















江戸時代初期1620年建立の多宝塔(重文)





多宝塔の横に紅葉の一本





多宝塔周辺のキノコたち

















本堂前の花










下山します。休憩所です。





とにかく、濃い緑と苔の景色です。
この角度の景色が好きです。





落葉一枚





中腹の苔です。


















一部紅葉した葉っぱ






こんなのも一枚







また、紅葉シーズンにここの景色をお届けします。