京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『李禹煥(リ ウファ ン)の挑戦』日曜美術館

2014-09-15 05:23:05 | 美術・博物館


今回の日曜美術館は、『ベルサイユにアートの虹を架けるー 李禹煥の挑戦 』です。





舞台はベルサイユ宮殿の庭園




シンメトリーな幾何学的構図、計算され尽くした池や樹木の配置、
ルイ14世がル・ノートルに作らせたフランス式庭園の傑作です。





今年6月、ベルサイユ宮殿で巨大な彫刻作品の個展が開催されています。
年に一度、ひとりのアーティストを招聘し、
その作品を展示する大規模なアートプロジェクトです。
7回目の今年、選ばれたのが、李 禹煥というわけです。





李禹煥は、 韓国の山村で生まれ、20歳で来日します。
戦後日本の前衛グループ「もの派」のアーティストとして、
日本の現代美術を牽引してきました。
これまで「出会い」というコンセプトによる、
鉄板と石を組み合わせたシンプルな抽象作品で知られています。





石や紙、綿や鉄などの素材をただ並べて見せることで、
物質のもつ意味、美術とはなにかを問いかけるというものです。






李 禹煥が 今回、ベルサイユ宮殿の庭園に、
展示した作品はステンレス、鉄、石などを使ったものです。
「もの派」の代表的素材と言えるでしょう。


宮殿の前に、虹のように高々と弧を描く、
高さ12 メートルの「ベルサイユのアーチ」





北斗七星をイメージした、鉄板と7つの石に よる作品「星の影」





緑の並木道で向き合う鉄と石「対話Z」





花々が咲き乱れる花壇の横に鉄板と石「対話 X」





宮殿の前にまっすぐにのびる緑の芝生。
王の散歩道、緑の絨毯と呼ばれるところに、
ゆるやかにカーブする、ステンレスを配置した「風の羽根」












宮殿前の空間に大きな石と鉄の作品「タイタン杖」





アポロンの水浴の樹木庭園に「ル・ノートルへのオマージュ」
地面を掘り、中に石を置いている。
まるで墓石のようです。





宮殿内部に置かれた作品「綿の壁」





番組は、瀬戸内海の直島の「李 禹煥美術館」の紹介もしています。





以前、私のブログでも日曜美術館アートの旅で紹介しました。
その時、感想を書きました。
「私は、李 禹煥の記号のような作品は好きではありません。
世界的に有名なアーティストのようですが、私には理解不能です」と。

今回のベルサイユ宮殿の庭園に展示された作品も、
率直に言って、あまり魅力を感じません。

芸術は人それぞれの感性ですから、
素晴らしいと思われる方もおられるでしょう。
しかし、少なくとも私は、「もの派」も含めて評価しえないのです