京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『民藝の巨人・芹沢銈介』日曜美術館

2014-09-21 20:54:05 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は、 『あふれ出る"デザイン" 民藝の巨人・芹沢銈介』です。
私は、芹沢銈介の作品を、今まで何度か目にしてきました。
そのつど、斬新さ、奇抜さ、多彩な色使いと、
デザイン力に驚かされてきました。
今回、日曜美術館で取り上げられ、非常に嬉しく思っています。





芹沢銈介(1895~1984)は、型紙を使ってひとりで布を染め上げる、
型絵染の人間国宝です。





型絵染は、まず、紙に書いた下絵に沿って小刀で、
模様を切り抜き、型紙を作ります。
そして型紙の上から、布に色を塗ると、
色をつけたいところだけ染めることができます。
本来分業であった工程を芹沢はすべて一人でこなしたのです。

芹沢銈介は、静岡の名家に生まれ、東京高等工業学校図案科を卒業後、
図案や手芸の指導をし ていました。
その後、民藝運動をけん引した柳宗悦と出会い、人生が一変します。
「用」と 「美」の手仕事で作られた、日用品の持つ美しさにひかれます。

さらに沖縄伝統の染物「紅型(びんがた)」と出会い、
独自の道を切り開いていきます。
芹沢は晩年、目に見えたあらゆるものは模様に見えたと言います。


静岡市 芹沢銈介美術館
生前寄贈された600点の作品が収蔵されています。










「鯉泳ぐ文着物」
海外で高く評価された着物です。
朱色の海を力強く泳ぐ鯛の群れ










「薪文のれん」




「縄のれん文のれん」





「貝文着物」





「ばんどり図四曲屏風」





「ばんどり図」型紙





「小川紙漉軸」
強い陽射しに照り映える赤や青、軒先で板干しをする和紙の里の光景















「沖縄大市」





「津村小庵文帯地」型紙





「津村小庵文帯地」
上の型紙がこんなきれいな色彩に変わります。





「芭蕉文着物」
沖縄の芭蕉布に青で染めた芭蕉の葉





1976年、フランス政府の招待で渡仏し、パリで注目されます。
「風」の文字をデザインしたのれんが大人気を博 しました。






文字をデザインした代表作
「風の字文のれん」





「結び寿文のれん」






「いろは文六曲屏風」
文字と絵を組み合わせた作品です。





「天の字文のれん」





「春夏秋冬二曲屏風」





「福の字文(竹と牡丹)のれん」






芹沢銈介の展示会の巡回先です。
京都は年明けの1月、楽しみです。















無鄰菴(むりんあん)とハレの岡崎

2014-09-21 05:22:06 | 京都めぐり

前日、平安神宮神苑を訪れたばかりですが、
美術館に寄る時間がありませんでした。
それで、昨日の散歩は、無鄰菴→美術館にしました。
京都市美術館では、『第99回院展』と『第33回汎具象展』、
京都国立美術館では『ホイッスラー展』が開催されていたのです。
美術館の記事は後日、投稿します。

無鄰菴は、明治の元老山縣有朋の別荘だったところです。
庭は山縣自らの設計、名造園家小川治兵衛の作庭による、
池泉式回遊庭園です。





中に入りまーす。

飛び石を歩きます。






すぐに目に飛び込んでくる景色です。
東山が借景です。





鑓水と池のまわりを歩きます。















苔が美しい世界です。
紅葉の葉も映っていますが、わかりますか。





果物が落ちているのかと思いきや、
庭師さんにお聞きしますと、草木瓜(クサボケ)の実だそうです。





万両ですが、まだ実が赤くなっていません。





ムラサキシキブです。





母屋です。





中では、お茶をいただくことができます。





久しぶりに洋館に入ります。
ここで 無鄰菴会議(1903)が行われ、日露戦争開戦直前の日本の外交方針が決められたのだそうです。
部屋の中は、薄暗くしてあります。





無鄰菴の向かいは、瓢亭さんです。





無鄰菴を出ますと、比叡山が見えます。





ところで、土日は「京都岡崎ハレ舞台」と称し、
「京都国際マンガアニメフェア」、「京都岡崎レッドカーペット」、
「あかりとアートのプロムナード」のイベントが開催されていました。

レッドカーペット




公園では、ご当地グルメフェスティバルも開催





特に、マンガアニメフェアはみやこめっせで開催されているのですが、
入場待ちの超ー長蛇の列に驚きです。
会場から南側の疎水を一周し、さらに、美術館、動物園にまで、
並んでいるのです。
若い方がほとんどですが、外国人も目につきます。
私はアニメとかマンガは、読みませんが、案外こういう文化が、
これからの成長戦略になるのかもしれないと、行列を見て思いました。