タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

子どもの心

2012-03-26 19:16:34 | つれづれ
月曜日は1ヶ月健診の日です。
先週はせっかく1ヶ月健診に来ていただいた方の写真を撮りませんでした。
楽しみにされていたかもしれないのにゴメンなさい。
「今日の1枚」は3人目の赤ちゃんのために捧げます。

今も4人目の赤ちゃんを産まれたお母さんが2人、入院されています。
お見舞いに来ては、帰り際に上の子が泣いているのが痛ましいです。
家ではお父さんがみているのだとか。

13年前に柏原で開業した年はたいへんでした。
1年目のお産はわずかに十数人です。
売り上げは1千万円もいきませんから、その3分の1が人件費とすると、
看護師さんなら1人しか雇えませんね。
当時はまだ看護婦さんの時代でした。

初年度は1ヶ月に1人のお産でも1週間入院されるから、
もちろんその1週間は夜も昼もお世話をしなくてはなりません。
だから数人の看護師さんは常に働いていました。
24時間病棟を回そうとすると、最低でも4人の看護スタッフが要るのです。
今なら産休も育休も取り放題ですが、そのためには5人は必要です。
夜間2人体制にするなら看護職だけでも8人から10人は必要な計算になります。

ところで、今日は病院経営の話ではありませんよ。
柏原に居た5年間はやればやるほど赤字なので、
篠山に転居してきたというわけなのですが、
当初はとてもたいへんだった、という話です。
何が? 何もかも、です。

うちの母もカミさんも手伝いに入っていました。
食事も三度、三度用意しないといけないものですから、
わずかに月に1人のお母さんのために、私も食事作りを手伝っていたのです。
ましてや、イタリアンを丹波で初めて始めたものだから、
今なら何件かあるでしょうが、アンチョビやらバルサミコ酢、ハーブなんて、
使ったこともないような調味料を揃えたのです。

庭の植木はすべて引き抜いて、ラベンダー、ノースポール、チャービルと、
ありとあらゆるハーブを植えました。
当時は本当に、ハーブという言葉ですら、誰も知らなかったのです。
そうそう、髪の毛を染めるヘナも窓口で売り出したのですが、
1つも売れませんでした。
今では妊婦さんの誰が髪の毛を染めていようが、とがめなくなってしまましたが。

うちのカミさんがタマル産で赤ちゃんを産んだ第1号なのは何回もお話していますが、
開業したその年の瀬に、網膜剥離で手術を受けることになりました。
無理をしたからでしょう。
1月ほど入院していたでしょうか。この間、お産もするわ、子どもたちの世話もするわ、
今となれば笑い話です。
カミさんが帰ってきた時、2歳の娘は、「お母さん、キライ」と隠れてしまいました。
もちろん本当は大好きなのです。

今日、赤ちゃんが生まれたために、お父さんと帰っていく上の子の泣き声を聞いて、
ふと、そんな思い出がよみがえってきました。

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