タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

子宮頸がん撲滅計画有ります

2017-11-01 21:16:54 | 婦人科
三田市つつじヶ丘の天晴(てんせい)くん、10月1日生まれ。
「楽しいことをたくさん見つけて、からっと元気な子になってください。
お産は長くて泣いたりしましたが、不思議と今はまた産みたいと思います。
みなさん気さくで明るくて優しくて、大好きになりました。また入院したいです。」

未来も明るく開けそうな名前ですね。
また次も立会い出産をしたい、ということでしたよ。

今日もタマル産では、2人赤ちゃんが生まれました。
でも、まだ2人、陣痛のお母さんが居られるのです。
もう1日かかりそうですね。
その時は辛いかもしれませんが、また欲しくなるのですね。

さて、今日も婦人科の子宮頸がん検診のお話をしましょう。
先日、少し、お話したところですけれどね。
今年の9月に開催された日本婦人科がん検診学会の報告からです。

篠山では若い女性に、5年に1回、子宮頸がんの無料券が送ってくるでしょう?
活用されていますか?
全国的には、子宮頸がん検診受診率は30〜40%しか有りません。
欧米ではもっと、ずっと検診率は高いようです。
これだけでも、日本人は子宮頸がんが見落とされそうですね。

まず検診方法ですが、子宮の頸部を綿棒やプラスチック制の器具でこすります。
これを液体にドボンと浸けて固定し、検査に外注します。
それを細胞診断士が顕微鏡で見て、判断するのですね。
疑わしい検体は、病理医がもう一度検査します。
丹波市の子役の芦田愛菜ちゃんも、病理医になりたいんですって?

でもね、こと婦人科に関しては、病理医の仕事は無くなりそうですよ。
というか、婦人科の医師も必要無くなりそうな気配です。

オランダでは今年の2月から、オーストラリアでは今年の12月からの予定で、
子宮頸がん検診は、これら人間が目で見る検査は終了したのです。
代わって、ヒトパピローマウィルスが居るか居ないかの検査をするようになったのです。
日本でも現在は、細胞診で引っかかった人にだけ、ウィルスの検査をするのですよね。
ですが、細胞診をしなくても、ウィルス検査単独で十分だということです。

それどころか、ウィルスの検査は、わざわざ婦人科に行かなくても、
自分で膣に綿棒を入れて、くるくると回して、それをやはりドボンと容器に入れるだけです。
それで自宅でできるというわけですね。
これを「自己採取式HPV検査」と呼び、
イタリア、スウェーデン、ニュージーでも2018年までに導入予定だそうですから、
いよいよ婦人科医や病理医は首を切られそうですね。
私も、収入減になりそうなので、本当は秘密にしておきたいくらいです。

でもね、日本ではまだまだ導入されないようですよ。
何かの陰謀でしょうか?
細胞診なら1年か2年に1度、受けるのですが、
ウィルスの検査なら、異常が無ければ、30代ならたったの5年に一度、
40代なら10年後で良いというのですからね。
20代は記載が有りませんでしたが、付き合っている人が変わる毎に、検査した方が良いのでしょうね。
でも相手が浮気をしていれば、もっと頻繁に必要かもしれませんよ。
いずれにしても、毎年も検査する必要が無いので、ウィルス検査の方が費用的にもリーズナブルなようですよ。

もう1つの戦略として、ヒトパピローマウィルスのワクチンですね。
日本では副反応のためにストップしたままですが、
諸外国ではワクチンが当たり前になっていて、子宮頸がんが激減しています。
それに対して、日本だけ、子宮頸がんが激増しているのですよ。

もう1つ、日本では予防接種の対象が中学生の女子だけですが、
諸外国では男子も受けたり、
10代と言わず、45歳までの女性でも、
ヒトパピローマウィルスの検査で陰性なら、ワクチンを受けるのですよ。

さらに以前、中学生でワクチンを受けた女性も、20代になられています。
当時は2価のワクチンだったのですが、その後4価のワクチンになり、
今では9価のワクチンも有るようですから、
性行為の無い女性は、ワクチンを受ける。
性行為の経験の有る女性は、ウィルスの検査で陰性ならワクチンを受ける。
ワクチンを受けた女性は、がん検診の回数は一生で1、2回で良いかもしれない。
もしすでにパピローマウィルスが陽性なら、こまめにがん検診を受ければよいのですね。

そんな時代が日本に早く来れば、子宮頸がんが撲滅できるかもしれないですね。

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