今日は今田中学校から校長先生一行まで来院されました。
よほど心配されているのでしょうか。そんなことは有りませんよね。
早く学校を出て、早く家庭を持つ、これが幸せへの道なんですけれど。
この子たちは分かってくれるでしょうか。
世の中には子育てよりも魅力的なことがたくさん有るのですか?
子育てこそが、最も大切なことなのです。
さて、水曜日は婦人科の話題を提供しています。
毎月、月末から月初めになると、いろいろと報告やら、レセプトやらで忙しくなります。
今日も先月分の子宮頸癌検診の結果を、篠山市に送る準備をしていたのです。
まだ5月はましな方です。毎年1月から3月は、がん検診に来られる方が多くてたいへんです。
がん検診は、それだけが目的で来院される方も居られれば、
妊娠の初期で半ば強制的にしていただくこともあります。
妊婦健診では子宮頸癌検診が必須の検査ですからね。
毎月50人くらいするでしょうか。ですがその中で引っ掛かるのは1人、2人というところです。
市のがん検診の結果は1ヶ月分まとめて報告しますから、結果が送られてくるのは翌月です。
殆どの方は異常なし、という結果が送られてくるでしょうが、
中には要精密検査、と書かれていてびっくりされるのです。
実は書いているのは私なのですが。
こんな通知が送られてくると、びっくり仰天されるのです。
ですが、そんなに慌てないでくださいよ。
最近は検査の結果は、NILMだとか、ASC-USだとか、さらにはLSILとか、訳がわからないような
英語での表記がされています。
難しいことは考えずに、「検査で引っ掛かった」と覚えてください。
そこで、検査で引っ掛かったら、次に何をするかです。
いろいろと細かい順番が有るのですよ。
それでも次にすることはあまり変わりません。
まず、ヒトパピローマウィルスという名前のウィルスが居るかどうかを検査します。
子宮頸癌の原因はこのウィルスにかかることだからです。
ハイリスク型のウィルスを持っていないなら、それで検査はおしまいです。
もしこのウィルスを持っていたら、次の検査に進みます。
ただしこのウィルスの検査は跳ばされることも有ります。
膣の奥には、子宮の頸部という名の、子宮の一部が顔を出しています。
ちょうどこの子宮頸部が子宮頸癌になりやすいところなので、ちょうどいいのです。
だって肉眼で観察できるからです。
肉眼で見にくくても、だいじょうぶです。双眼鏡で見ればいいのです。
単眼鏡でもいいのですが。この装置の名前はコルポスコピーといいます。
ただ、覗くだけでは、肉眼でみるのと、さほど変わりません。
ところが、子宮頸部にお酢を塗ると、異常な部位が白く浮き上がって来てみやすくなるのです。
異常な血管なんかが浮き上がってくることも有ります。
でも、誰がお酢を塗るなんて考えたのでしょうか?
ちなみに、外陰部にも同じように表示だけに癌が発生するボーエン病という病気が有ります。
この場合はお酢では色は変わらないので、青い色素を塗ると、
異常な部分が浮き出てきます。染色って大事なのですね。
コルポスコピーという名の双眼鏡で覗いて、異常そうな部位が有れば、
そこを爪切りのような器具でパチンと1ミリほど、採取するのです。できれば3カ所ほど。
その名もずばり、パンチバイオプシーです。ちょっと違うかな?パチンとパンチ。
止血しなければいけないので、薬に浸けたガーゼで圧迫します。
後でガーゼを抜くために、再度受診していただいています。
こうして1週間も経てば、結果が出るので、
ちょっとくらい子宮頸部異形成、だとか言われても、たいていは定期検診で自然に消えてしまいます。
いつまでも異常が続いて、まれに子宮慧眼のごく初期にまで進行する場合も有りますが、
それはむしろ非常に稀だと覚えてください。
だから子宮頸癌検診で、要精密検診、と言われても、びっくりする必要は有りませんからね。
かと言って、放ったらかしにしてはいけません。
年に一度は、何もなくても健診は受けていただきたいものです。
日本は受診率がすごく低い方なのですから。
予防接種に頼らなくても、健診さえ受けていれば充分なのです。
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