タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

円錐の体積は?

2012-11-14 20:55:09 | 婦人科
初めての赤ちゃんでしたが、もう明日退院ですね。
安産で良かったです。
安産になるかどうかの一番の原因はへその緒が首に巻いているかどうか、
2番目が栄養が良すぎて赤ちゃんが大きくなり過ぎていないかどうか、
3番目は陣痛が始まる前に破水してしまわないか、
どうもこの3点に集約されるような気がします。

今日は子宮頸癌と妊娠のお話をしましょう。
子宮頸癌は若い人の病気で、20代、30代、40代の年齢の方になりやすいのです。
だから今、中学生の女子に、子宮頸癌を引き起こすパピローマウィルスの感染を予防する
予防接種がすすめられているのです。
始まってまだ数年ですから、これからどの程度発症率が下がってくるかは未知です。

最近も妊娠と関連した子宮頸癌の方を2人、診察しました。
1人は20代でしたか、他院で初期の子宮頸癌のために手術を受けられていました。
40代以降で赤ちゃんを産む必要がなくなると、子宮を全部取る手術をしますが、
20代、30代では子宮の頸部という出口に近い部分だけを取ります。
円錐形に切除するために円錐切除術と呼ばれます。
大きさはウズラの卵くらいのものです。

子宮の上半分は子宮体部と言うのですが、
ここはニワトリの卵ほどの大きさで、ここで妊娠しますから、
円錐手術後も妊娠は可能なわけです。

先ほどの方は円錐切除後に妊娠され、タマル産でその経過をみながら、
妊娠第5ヶ月になって、今度は子宮の出口を縛る手術をしました。

子宮の出口を切ってしまっているので、早産しやすいからです。
この縛った糸は予定日の1ヶ月ほど前に外来で簡単に抜くことができます。
そしてこの方は普通にお産することができました。

今回もう1人、不妊外来に掛かっている方が居られます。
1人目も不妊外来で治療して赤ちゃんを授かるところまで行きました。
今回は2人目です。
前回の妊娠の時に子宮頸癌検診で引っ掛かり、
がん検診の定期検診は地元の病院で受けるという、少しイビツなことをしていました。
そんな折、不妊外来で2人目の妊娠反応が陽性に出たのです。
と、喜びも束の間、地元の病院では子宮頸癌で手術が必要と出ました。
とりあえずは円錐切除術をすることになるでしょう。
以後はその結果次第ということです。

このように若い方ほど、そして妊娠を考えるような年齢の方であるほど、
子宮頸癌の健診は重要になってきます。
タマル産では開業時より全員の方に、妊娠すると子宮頸癌検診をしています。
今では当たり前となりましたが、以前はそうでもなかったのですよ。

最後に1つ付け加えるなら、赤ちゃんを産み終わってしまうと、
もう子宮頸癌検診を受けなくなってしまわれます。
ですが産んだ後も引き続いて、年に1回受けて欲しいのです。
長くても2年に1回は受けましょうね。
最近ようやく5年に1回、子宮頸癌の検診が無料になるチケットが
贈られてくるようになりましたから、
せめてその5年に1回でも、かなり有効だという統計が出ています。

これを機会に誕生日には検診です。
フェイスブックはこちらhttp://www.facebook.com/tamarclinic
きょうもこれから赤ちゃんが生まれます。
どうか安産でありますように。

この記事についてブログを書く
« 妊娠の限界 | トップ | 薄いシミと濃いシミ »
最新の画像もっと見る

婦人科」カテゴリの最新記事