タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

月経時に胃は痛みますか

2016-02-24 21:19:43 | 婦人科
川西市けやき坂の葵彩(あおい)ちゃん、1月24日生まれ。
「優しく、未来に大きくはばたける人になってください。
2人目だったので、冷静にお産に臨めました。
上の子も毎日来ていたので、個室で良かったです。」

そうですね。個室料金も要らないのに全員個室ですからね。
しかもダブルベッドでご主人も上の子も一緒に泊まれますからね。
すごく良心的でしょう?

さて、今日はオーソドックスに月経困難症のお話です。
というのも外来でのことです。
中学生の子が月経時に胃がむかつく、と言って小児科で薬を処方されていたのですが、
軽快しないので、婦人科に来られたのです。

まず処方されていたのが、六君子湯(りっくんしとう)です。
つわりの時によく生姜(しょうが)湯なんかを飲みますか?
それを含んだものが半夏厚朴湯で、よく処方しますよ。
六君子湯も同じような成分の薬で、確かに胃がむかつく、という点では胃薬として出されているのでしょうね。

ですがよく考えてください。
月経時に胃が気持ち悪い、あるいは胃が痛むという場合、
胃薬で改善するのでしょうか。
月経の時には、子宮を収縮させ、子宮内膜を洗い流すために、
子宮収縮作用の有るプロスタグランジンという物質が出ます。
月経困難の女性では、普通の女性よりも測れば値が高く出ているようですよ。

このプロスタグランジンは、子宮だけでなく全身に回りますから、
頭の血管を収縮させては、頭痛を起こします。
胃に作用しては、胃がケイレンして、確かにむかつくのですよ。
だからこの胃の痛みは、全身性の症状の一部なのです。
むしろ中枢性と言ってもいいでしょう。つまり脳が嘔吐を誘発しているのです。

よく抗がん剤の治療をする時、とても強い吐き気が生じますね。
こんな時は胃薬ではなく、中枢に効く制吐剤を注射しますからね。
月経困難の時も同じく、全身性の制吐剤、あるいは全身性に効く鎮痛剤が必要になるのです。

日本産婦人科医会の処方例には、鎮痛薬、漢方薬、感染があれば抗生剤、
低容量ピルなどがすすめられています。
中学生だからホルモン剤よりは漢方薬の方が良いでしょう。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)や芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が良いと書いてありますが、
桃核承気湯ではよく下痢をしてしまいますし、芍薬甘草湯はむしろ胃痙攣には良いかもしれません。
タマル産では、こんな時は桂枝茯苓丸なんかを処方しますね。

さて、今度来院された時は、改善していると思われますか。
子供ならなんでも小児科、女性ならなんの症状でも産婦人科、
と思われている一般の人や先生でも多いのですよ。
妊娠していてもインフルエンザなら内科が、
子供でも婦人科の症状なら婦人科の方が話が早いわけですよ。
だいたい月経が始まれば、もう小児科は卒業してもいいのでしょうね。

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