タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

赤ちゃんが欲しければ禁煙を

2013-08-20 20:55:15 | 不妊症
一番下の、お父さんに抱っこされている子が、タマル産生まれなのです。
でもみんな、健診についてきていたから、久しぶりでも覚えているよね。

今日はタマル産に、神戸大学の医学部5回生の学生さんが見学に来ていました。
ウォーターベッドでの出産に興味を持たれたようです。
5回生といえば、病院で実際に診察についたりする年齢です。
そろそろ将来のことを考える時期なのですよ。
医学生はすべての診療科を回ります。
とくに最近は卒業後もローテーションしますから、何科になるかは自由なのです。
だから放射線科に行っていたのに、途中からは皮膚科に変わったなんていう同級生も居ます。
私だって、産婦人科は長いのですが、皮膚科だって習ってはいたわけです。
もっとも美容皮膚科という診療科自体、最近できたてですからね。

さて、前置きはこれくらいにして、火曜日は不妊外来のお話です。
この1週間も妊娠した方が居られます。
その方は人工授精の2回目でした。
どんな治療でも初めの数回に妊娠される方が多いので、
人工授精でも同様に、4回目までくらいが妊娠率が高くなります。
6回くらいまでを1つの目安にされると良いのは、いつもお話していますね。

これは別の話ですが、先日、他院で妊婦健診を受けておられ、
妊娠中期で死産された方が居られました。
原因が知りたいと言われます。まだ20歳代の方です。
もともと月経不順も有ったようです。
だからこれからホルモンの負荷試験というのを予定しました。
これは視床下部というところからいつも分泌されているホルモンを注射するのです。
そうすると下垂体という臓器が反応して、さらに違うホルモンを分泌します。
このパターンによって、視床下部が悪いのか、下垂体が悪いのか、
あるいは卵巣が悪いのかを診断するわけです。
それと悪い程度までも分かるわけです。

どこが悪いか分かったらどうなるのですか?と聞かれます。
悪い所がわかれば、もちろん治療が異なってくるのです。
使う薬は、漢方薬であったり、飲み薬の排卵誘発剤であったり、
注射剤の排卵誘発剤であったりするわけです。
ですが、その中にもいくつか種類が有って、
例えばPCOという排卵障害ならば、pure FSHという種類の排卵誘発剤の方が
副作用が出にくくて、使い易いのです。
下垂体のプロラクチンが高いのであれば、それを抑制しながらの方がうまくいくということも。
男性ホルモンが高めに分泌される場合は、排卵誘発剤で、たくさん卵胞が大きくなりそうだ、
などの情報も得られます。
やや専門的になりましたが、原因が異なれば治療も異なってくるという話です。

この方の場合は、ですが、妊娠初期に喫煙していたという情報も有りました。
流産したり、胎児に異常がみつかる時は、妊娠初期に喫煙している女性がホントに多いのです。
まあ、皆さん、妊娠が分かったからやめた、と言われるのですが、
もちろんやめるに越したことはないのですが、
妊娠が分かってからでは遅いのです。
妊娠反応が陽性に出る、さらに2週間前には排卵が終わっているのです。
つわりが始まる4週間前のことです。
だから妊娠してから禁煙していたのでは、遅いのは当然ですね。

結婚年齢が遅くなったという情報は最近広まってきましたが、
喫煙していると妊娠しにくい、あるいは流産率が高いという情報を知っている方は少ないのです。
ここをもっと、アピールしていくべきでしょうね。

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