タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

AMHは無駄な検査です

2017-10-25 20:19:46 | 不妊症
丹波市春日町の泰河(たいが)くん、9月20日生まれ。
「元気な子になってください。
お産は痛かったけど、いい思い出になりました。
みなさんとても優しかったです。お料理、サイコー。」

4人目の赤ちゃんにして、タマル産では初めてのお産でしたが、いかがだったのでしょうか。

さて、今日も不妊症の最近の話題を1つ、してみましょう。
数年前から、不妊症の検査の1つに、AMHというものが加わりました。
高度不妊治療をしているクリニックでは、まずする検査でしょうね。
血液検査で分かるので、どこでもできるのですよ。
タマル産でも希望が有ればもちろんできます。
でもね、敢えてしていないのです。

その理由をお話しましょう。
まずAMHとは、抗ミュラー管ホルモンの略です。
よく、卵巣年齢だとか、卵巣予備能を表すと言われます。
でもね、もともとの測定値の分布のグラフを見たら、いい加減な検査なのですよ。
それこそ統計学的に有意差なんて出ないだろうな、というものなのです。

ところがこの数値が一人歩きして、数値が低ければ卵巣が老いている、
数値が高ければ年齢の割に卵巣が若い、などと言われていたのです。
ですが、たとえば排卵しにくい病気でPCOSという病気があるのですが、その場合は逆に高く出ますしね。
とにかく、この検査はしてしまうとかえって、患者さんを惑わすことになると思って、
おすすめしていなかったのですよ。小さな抵抗ですね。

それが最近の研究で、JAMAという雑誌に今年発表されたものでは、
やはりAMHの値と妊娠との相関関係は否定されたのです。
AMHが低い(0.7ng/mL未満)女性と、AMHが正常値(0.7〜8.4ng/mL)の女性の群との間で、
妊娠率は変わらなかったのです。
やっぱりね。

ということで、もし不妊施設で、この検査をしたことが有る女性は、
この検査のことは忘れてください。
もっと言えば、明日再検査すれば、まったく違った検査結果になりますよ、ということです。
だいたい保険も効きませんしね。
1つ、勉強になりましたか?


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