タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

不妊治療の薬や人工授精が保険適応に

2021-09-17 20:47:22 | 不妊症
図は神戸大学産婦人科、山田秀人教授の教室の厚生省研究事業の結果の一部です。
この1年半で、妊娠中に新型コロナに感染した妊婦さんの評価なのです。
おそらく全員ではなくて、その一部の180人分の研究でしょう。

約1/4の妊婦さんは中等症から重症になるようです。
そのうち36週以降で感染した場合は半分強が帝王切開で産まれていました。
週数にかかわらず重症の妊婦さんは早産でも帝王切開されていたようです。
そのために感染した妊婦さんの1/4は、早産をされていましたよ。

結論として、妊娠中に感染すると、早産と帝王切開が増えるということです。
やはり新型コロナのワクチンを打っておいた方が良いということですね。
もっとも今のところ妊娠中にコロナで生命を落とされた方は居られないようで、良かったです。

次に新生児への影響ですが、感染して2週間以内に分娩になった場合は9割が母児分離されています。
赤ちゃんに会えないということです。
それに対して2週間以上経ってからお産になった場合は、77%が母児同室できたようですよ。
タマル産でも妊娠中にかかられた方と濃厚接触で隔離された妊婦さんが居られて、
どちらも満期で無事にお産されました。
以上がこれまでの報告です。

さて、今日はもう1つ別の話題も提供しておきましょう。
最近はニュースで来春の不妊治療の保険適応の話題が出てきています。

まず一般不妊治療で変わりそうなのが、排卵誘発剤として使用されているレトロゾールという薬が保険適応になるようです。
排卵誘発剤のクロミッドという薬と同じような使い方をするのですが、今は自由診療として処方しています。
もともと安い薬なので、保険診療になってもそれほどメリットは大きく有りませんが、説明は楽になりそうです。
だって乳がんで使う薬なので、抗がん剤ではないと毎回説明するのもたいへんですから。

一般不妊治療で大きく変わるのが、人工授精が保険適応になりそうなことです。
こちらはインパクトは大きいですよ。

次に高度不妊治療、いわゆる体外受精や顕微受精と、それに伴う凍結保存などですが、
その際に使用する注射が保険適応になるようです。
この注射は毎日する必要が有って、かなり高額なので、いいところをついていますね。
それで体外受精そのものが保険適応になるのかどうかは、まだ検討中のようですけれどね。
以上が速報でしたよ。

次の総裁選で女性の高市早苗さんが総裁になられれば、女性診療科を創設されるようですから、
女性のみなさんは応援されてはいかがでしょう。
もっとも女性診療科をすでに掲げている病院も有りますけれどね。
そうなるとやはり女医さんでなくてはいけないのでしょうか。
われわれ男性産婦人科医は、そろそろ退役が近いようですね。