フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

当たり前

2009-06-17 20:47:15 | Weblog
イランの大統領選挙を巡ってイラン国内が混乱しているニュースが相次いでいます。強硬派の現職、アハマディネジャド氏の勝利宣言に対して、選挙で不正があったと市民が抗議行動を起こしているものです。全体の62%の得票があったとは発表されていますが、正確な数字は表に出ていません。
日本の選挙報道に慣れている我々日本人からすると、当たり前の事がきちんとされない不思議さを感じます。外国の選挙ではしばしばこういう報道が見られますが、何故なんでしょうか?
さて、この当たり前という語源を調べてみました。当たり前とは当然のことですが、当然を当て字で書くと「当前」となり、これを訓読したという説。もうひとつは一緒に働いて得た獲物を、一人当たりに分配する取り分を当たり前と言って、それを受け取るのは当然の権利である所から当たり前という言葉が生まれた説があるようです。
それにしてもお国柄というのでしょうか、当たり前が当たり前でない考え方で国の政治がなり立っています。その国の権利や主義の違いなのでしょう。我々の少し前の時代でも、今の当たり前が通用しないこともありました。我々から見て当たり前を求めての抗議行動で死者が出るのはなんとも痛ましいものです。ただ「日本の常識は世界の非常識」などと言われているジャンルがあることも忘れてはなりませんが。