書殿餞酒日和謌 四首
標訓 書殿(ふみとの)にして、餞酒(うまのはなむけ)せし日の和(こた)へたる謌 四首
集歌八七六
原文 阿麻等夫夜 等利尓母賀母夜 美夜故摩提 意久利摩遠志弖 等比可弊流母能
訓読 天飛ぶや鳥にもがもや京(みやこ)まで送り申(まを)して飛び帰るもの
私訳 天空を飛び翔ける鳥になりたいものです。貴方を奈良の京まで送り申し上げて、飛び帰って来ましょうものを。
集歌八七七
原文 比等母祢能 宇良夫禮遠留尓 多都多夜麻 美麻知可豆加婆 和周良志奈牟迦
訓読 人もねのうらぶれ居(を)るに龍田山御馬(みま)近づかば忘らしなむか
私訳 人が皆、淋しく思っていますのに、貴方は奈良の京への峠である龍田山に貴方の御馬が近付くと我々を忘れるでしょか。
集歌八七八
原文 伊比都々母 能知許曽斯良米 等乃斯久母 佐夫志計米夜母 吉美伊麻佐受斯弖
訓読 云(い)ひつつも後(のち)こそ知らめとのしくも寂(さぶ)しけめやも君坐(いま)さずして
私訳 このように云っていますが、後になってこそ、しみじみと寂しさを感じるのでしょう。本当に寂しく感じるのでしょう。貴方がいらっしゃらないと。
集歌八七九
原文 余呂豆余尓 伊麻志多麻比提 阿米能志多 麻乎志多麻波祢 美加佐良受弖
訓読 万世に坐(いま)し給ひて天の下奏(まう)し給はね朝廷(みかど)去(さ)らずて
私訳 末永くこの世にあって天下の政治を執って下さい。朝廷から引退することなく。
標訓 書殿(ふみとの)にして、餞酒(うまのはなむけ)せし日の和(こた)へたる謌 四首
集歌八七六
原文 阿麻等夫夜 等利尓母賀母夜 美夜故摩提 意久利摩遠志弖 等比可弊流母能
訓読 天飛ぶや鳥にもがもや京(みやこ)まで送り申(まを)して飛び帰るもの
私訳 天空を飛び翔ける鳥になりたいものです。貴方を奈良の京まで送り申し上げて、飛び帰って来ましょうものを。
集歌八七七
原文 比等母祢能 宇良夫禮遠留尓 多都多夜麻 美麻知可豆加婆 和周良志奈牟迦
訓読 人もねのうらぶれ居(を)るに龍田山御馬(みま)近づかば忘らしなむか
私訳 人が皆、淋しく思っていますのに、貴方は奈良の京への峠である龍田山に貴方の御馬が近付くと我々を忘れるでしょか。
集歌八七八
原文 伊比都々母 能知許曽斯良米 等乃斯久母 佐夫志計米夜母 吉美伊麻佐受斯弖
訓読 云(い)ひつつも後(のち)こそ知らめとのしくも寂(さぶ)しけめやも君坐(いま)さずして
私訳 このように云っていますが、後になってこそ、しみじみと寂しさを感じるのでしょう。本当に寂しく感じるのでしょう。貴方がいらっしゃらないと。
集歌八七九
原文 余呂豆余尓 伊麻志多麻比提 阿米能志多 麻乎志多麻波祢 美加佐良受弖
訓読 万世に坐(いま)し給ひて天の下奏(まう)し給はね朝廷(みかど)去(さ)らずて
私訳 末永くこの世にあって天下の政治を執って下さい。朝廷から引退することなく。
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