竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻16 歌番号1125から1129まで

2024年04月10日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻16
後撰和歌集 現代語訳 原文付 巻16
原文 止遠末利武末幾仁安多留未幾
読下 巻十六

原文 久左久左乃宇多二
読下 雑歌二

歌番号一一二五
原文 於毛不止己呂安利天左幾乃於本幾於本以万宇知幾三尓与世天者部利个留
読下 思ふ所ありて、前太政大臣に寄せて侍りける

原文 安利八良乃奈利比良乃安曾无
読下 在原業平朝臣

原文 堂乃満礼奴宇幾与乃奈可遠奈計幾川々日加計尓於不留三遠如何世无
和歌 たのまれぬ うきよのなかを なけきつつ ひかけにおふる みをいかにせむ
読下 頼まれぬ憂き世の中を嘆きつつ日蔭に生ふる身をいかにせん
解釈 当てに出来ない辛い世の中を嘆きつつ、身分も得られずに日陰に生きている我が身を一体どうすればいいでしょうか。

歌番号一一二六
原文 也満比之者部利天安不美乃世幾天良尓己毛利天者部利个留尓
末部乃美知与利可无為无乃己以之也末尓満宇天个留遠
多々以万奈无行寸幾奴留止人乃川計侍个礼八
越日天徒可者之个留
読下 病し侍りて、近江の関寺に籠もりて侍りけるに、
前の道より閑院の御、石山に詣でけるを、
ただ今なん行き過ぎぬる、と人の告げ侍りければ、
追ひてつかはしける

原文 止之由幾乃安曾无
読下 としゆきの朝臣(藤原敏行)

原文 安不左可乃由不川个尓奈久止利乃祢越幾々止可女寸曽由幾寸幾尓个留
和歌 あふさかの ゆふつけになく とりのねを ききとかめすそ ゆきすきにける
読下 相坂の夕つけになく鳥の音を聞きとがめずぞ行き過ぎにける
解釈 相坂山の夕暮れに啼く鳥の声が、いつもとは違うと気が付かずに行き過ぎてしまいました。(貴女がこの私が療養で籠る関寺の前を通り過ぎたと聞きましたが、気づきませんでした。)
注意 閑院の御は、閑院に勤める女房と思われるが不詳です。

歌番号一一二七
原文 左幾乃知宇具宇乃世武之於久留於本幾於本以万宇知幾三乃以部与利
満可利以天々安留尓加乃以部尓己止尓布礼天比久良之止以不己止
奈无者部利个留
読下 前中宮宣旨、贈太政大臣の家より
まかり出でてあるに、かの家に事にふれて、日暗しといふ事
なん侍りける

原文 世武之
読下 宣旨

原文 美也万与利飛々幾起己由留飛久良之乃己恵遠己比之美以末毛計奴部之
和歌 みやまより ひひききこゆる ひくらしの こゑをこひしみ いまもけぬへし
読下 深山より響き聞こゆるひぐらしの声を恋しみ今も消ぬべし
解釈 木々の生い茂る深山から響き聞こえるヒグラシの声が恋しく、今も気が滅入ってしまいます。

歌番号一一二八
原文 加部之
読下 返し

原文 於久留於本幾於本以万宇知幾三
読下 贈太政大臣

原文 飛久良之乃己恵遠己比之美遣奴部久八美也万止本利尓者也毛幾祢可之
和歌 ひくらしの こゑをこひしみ けぬへくは みやまとほりに はやもきねかし
読下 ひぐらしの声を恋しみ消ぬべくは深山とほりにはやも来ねかし
解釈 ヒグラシの声を恋しく、気が滅入ってしまうのなら、私の住む貴女が「日当たりが悪い」と言う、この木々が生い茂った深山のようなこの屋敷の方に早くやって来てください。

歌番号一一二九
原文 可者良尓以天々波良部之者部利个留尓於保以万宇知幾美毛
伊天安比天者部利个礼者
読下 河原に出でて祓へし侍りけるに、大臣も
出であひて侍りければ

原文 安徒多々乃安曾无乃者々
読下 あつたたの朝臣の母(藤原敦忠朝臣母)

原文 知可者礼之加毛乃可者良尓己万止女天志波之美川可部可計遠多尓三武
和歌 ちかはれし かものかはらに こまとめて しはしみつかへ かけをたにみむ
読下 誓はれし賀茂の河原に駒とめてしばし水かへ影をだに見む
解釈 神に誓われた賀茂の河原に駒を止めて、しばし、駒に水を与えてください、その間に貴方のお姿を拝見しましょう。

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