竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌860から集歌863まで

2020年08月24日 | 新訓 万葉集
集歌八六〇 
原文 麻都良我波 奈々勢能與騰波 与等武等毛 和礼波与騰麻受 吉美遠志麻多武
訓読 松浦川(まつらかは)七瀬の淀は淀むとも吾(わ)れは淀(よど)まず君をし待たむ
私訳 松浦川の多くの瀬の淀の、その水が淀むとしても、私は心を淀ます(=逡巡する)ことなく貴方の訪れだけ(=貴方に抱かれること)を待っています。

後人追和之謌三首  帥老
標訓 後の人の追ひて和(こた)へたる謌三首  帥(そち)の老(をひ)
集歌八六一 
原文 麻都良河波 河波能世波夜美 久礼奈為能 母能須蘇奴例弖 阿由可都流良哉
訓読 松浦川(まつらかは)川の瀬早み紅(くれなゐ)の裳の裾濡れて鮎か釣るらむや
私訳 松浦川の川の瀬の流れが早く、その瀬に立つ乙女の紅の裳の裾は、あの時と同じように濡れて鮎を釣るのでしょうか。

集歌八六二 
原文 比等未奈能 美良武麻都良能 多麻志末乎 美受弖夜和礼波 故飛都々遠良武
訓読 人(ひと)皆(みな)の見らむ松浦(まつら)の玉島(たましま)を見ずてや吾(わ)れは恋ひつつ居(を)らむ
私訳 人が皆眺めているはずの、その松浦にある玉島を眺めることなく、私は大宰府でただ、貴女を思い焦がれています。

集歌八六三 
原文 麻都良河波 多麻斯麻能有良尓 和可由都流 伊毛良遠美良牟 比等能等母斯佐
訓読 松浦川(まつらかは)玉島(たましま)の浦に若鮎(わかゆ)釣る妹らを見らむ人の羨(とも)しさ
私訳 松浦川の玉島の浦で、今も若鮎を釣る愛しい貴女を見つめている(=抱いている)でしょう、その人がうらやましい。
コメント
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