竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌825から集歌829まで

2020年08月13日 | 新訓 万葉集
(小監土氏百村)
集歌八二五 
原文 烏梅能波奈 佐岐多流曽能々 阿遠夜疑遠 加豆良尓志都々 阿素比久良佐奈
訓読 梅の花咲きたる苑(その)の青柳(あほやぎ)を蘰(あづら)にしつつ遊び暮らさな
私訳 梅の花の咲く庭の青柳の若芽の枝を蘰にして、一日を宴会で過ごしましょう。

(大典史氏大原)
集歌八二六 
原文 有知奈比久 波流能也奈宜等 和我夜度能 烏梅能波奈等遠 伊可尓可和可武
訓読 うち靡く春の柳と吾(わ)が屋戸(やと)の梅の花とを如何(いか)にか分(わ)かむ
私訳 春風に若芽の枝を靡かせる春の柳と私の屋敷の梅の花の美しさを、どのように等別しましょうか。

(小典山氏若麻呂)
集歌八二七 
原文 波流佐礼婆 許奴礼我久利弖 宇具比須曽 奈岐弖伊奴奈流 烏梅我志豆延尓
訓読 春されば木末(こぬれ)隠(かく)れて鴬ぞ鳴きて去(い)ぬなる梅が下枝(しづゑ)に
私訳 春がやって来ると木の梢の葉に姿も隠れてしまって、鴬は、鳴いて飛び去って行く。梅の下の枝の方に。

(大判事丹氏麻呂)
集歌八二八 
原文 比等期等尓 乎理加射之都々 阿蘇倍等母 伊夜米豆良之岐 烏梅能波奈加母
訓読 人ごとに折りかさしつつ遊べどもいや愛(め)づらしき梅の花かも
私訳 宴会の人毎に梅の花枝を手折って広間に飾って、宴で風流を楽しんでいるが、なお、愛すべきは梅の花よ。

(藥師張氏福子)
集歌八二九 
原文 烏梅能波奈 佐企弖知理奈波 佐久良婆那 都伎弖佐久倍久 奈利尓弖阿良受也
訓読 梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや
私訳 梅の花は咲いて散ってしまったら、桜の花が続いて咲くようになっているではないか
コメント
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