竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌830から集歌834まで

2020年08月14日 | 新訓 万葉集
(筑前介佐氏子首)
集歌八三〇 
原文 萬世尓 得之波岐布得母 烏梅能波奈 多由流己等奈久 佐吉和多留倍子
訓読 万代(よろづよ)に年は来経(きふ)とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし
私訳 万代の後まで年は区切りを付けてあらたまり来るとも、梅の花は絶えることなく咲きつづけなさい。

(壹岐守板氏安麻呂)
集歌八三一 
原文 波流奈例婆 宇倍母佐枳多流 烏梅能波奈 岐美乎於母布得 用伊母祢奈久尓
訓読 春なれば宜(うべ)も咲きたる梅の花君を思ふと夜眠(よい)も寝(ね)なくに
私訳 春になれば、まことによく咲いた梅の花よ。あなたを思ふと夜も安心して寝られないものを

(神司荒氏稲布)
集歌八三二 
原文 烏梅能波奈 乎利弖加射世留 母呂比得波 家布能阿比太波 多努斯久阿流倍斯
訓読 梅の花折りてかさせる諸人(もろひと)は今日の間(あひだ)は楽しくあるべし
私訳 今日の宴会で梅の花枝を手折りかざして指し示す人々は、今日の一日は楽しいことでしょう。

(大令史野氏宿奈麻呂)
集歌八三三 
原文 得志能波尓 波流能伎多良婆 可久斯己曽 烏梅乎加射之弖 多努志久能麻米
訓読 毎年(としのは)に春の来らばかくしこそ梅をかさして楽しく飲まめ
私訳 毎年の春がやって来たら、このように梅の花枝を宴の中央に飾って楽しく酒を飲みましょう

(小令史田氏肥人)
集歌八三四 
原文 烏梅能波奈 伊麻佐加利奈利 毛々等利能 己恵能古保志枳 波流岐多流良斯
訓読 梅の花今盛りなり百鳥(ももとり)の声の恋(こい)しき春来るらし
私訳 梅の花は今が盛りです。多くの鳥の声の恋しい春が来たらしい。
コメント
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