竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌835から集歌839まで

2020年08月17日 | 新訓 万葉集
(藥師高氏義通)
集歌八三五 
原文 波流佐良婆 阿波武等母比之 烏梅能波奈 家布能阿素比尓 阿比美都流可母
訓読 春さらば逢はむと思ひし梅の花今日(けふ)の遊びに相見つるかも
私訳 春がやって来たら逢おうと思っていた梅の花のあなた。今日の宴会であなたに逢うことが出来るでしょう。

(陰陽師礒氏法麻呂)
集歌八三六 
原文 烏梅能波奈 多乎利加射志弖 阿蘇倍等母 阿岐太良奴比波 家布尓志阿利家利
訓読 梅の花手折りかさして遊べども飽き足らぬ日は今日(けふ)にしありけり
私訳 梅の花枝を手折り広間に飾って宴会に臨んでも、なお、風流に飽きることのない日は、今日なのだなあ。

(笇師志氏大道)
集歌八三七 
原文 波流能努尓 奈久夜汗隅比須 奈都氣牟得 和何弊能曽能尓 汗米何波奈佐久
訓読 春の野に鳴くや鴬なつけむと吾(わ)が家(いへ)の苑(その)に梅が花咲く
私訳 春の野に鳴くよ。その鴬を呼び寄せようと、私の家の庭に梅の花が咲くことよ

(大隅目榎氏鉢麻呂)
集歌八三八 
原文 烏梅能波奈 知利麻我比多流 乎加肥尓波 宇具比須奈久母 波流加多麻氣弖
訓読 梅の花散り乱(みだ)ひたる岡(をか)びには鴬鳴くも春かたまけて
私訳 梅の花の散り乱れる岡べには、鴬が鳴くことよ。春の気配が濃く。

(筑前目田氏真上)
集歌八三九 
原文 波流能努尓 紀理多知和多利 布流由岐得 比得能美流麻提 烏梅能波奈知流
訓読 春の野に霧立ちわたり降る雪と人の見るまで梅の花散る
私訳 春の野を一面に霧が立ち渡り、降る雪と人が見間違えるように梅の花が散る。
コメント
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