高尾サポートレンジャー会

このブログでは高尾山で活動するボランティア「高尾サポートレンジャー会」の活動についてご紹介します。

2007/04/26 遠足シーズン到来

2007-04-26 21:13:40 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

 この時期、高尾山は「ヤッホー!!」という声に包まれます。声の主は小学校や幼稚園の子ども達。遠足シーズンの到来です。今日は遠足シーズンの中でも最高に近いような賑わいで、清滝駅前は足の踏み場もないほどの混雑ぶりでした。
 さて皆さんは小学校の遠足でどこに行ったか覚えていますか?都内在住だった自分は、3年生か4年生の遠足で高尾山に登ったことを覚えています。とはいってもどんな花が咲いていたとかではなく、6号路を必死に登って頂上で友達とお弁当を食べたことしか覚えていません。それでも楽しかった遠足として記憶に残っています。
 子供の頃の記憶は不思議です。楽しかった、面白かった記憶は好印象の記憶として増幅されるし、嫌だったり、怖かった記憶はより悪い印象にデフォルメされていくように思えます。もしそうだとすると、子ども達に高尾山でよい想い出をつくってもらうことは、その子たちが大人になったときに、高尾山や他の山々、さらには自然そのものの好感度をアップすることにつながりそうです。
 今日、高尾山を訪れた大勢の子ども達は、みんなよい想い出を作ってくれたでしょうか。階段で転んだり、道に迷った子ども達はいなかったでしょうか。子ども達に(もちろん大人にも)高尾山でよい想い出を作ってもらうために我々は何ができるのか、これからも一緒に考えていきましょう。(都レK)

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2007/04/25 共同巡回 高尾山内+登山道調査

2007-04-25 16:32:36 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

参加者:5名 (うち都レンジャー2名)
コース:病院道~琵琶滝道~1号路~山頂~3号路~2号路~ケーブル高尾山駅解散

久しぶりに雨の巡回になりました。雨にもかかわらず高尾山口駅と清滝駅周辺には遠足の子供達の姿が。子供の波に飲まれそうになりながら、ようやく全員集合し、いざ出発。今日は高尾山内での歩きづらさNo.1であろう琵琶滝道の登山道調査(歩行者が歩きづらいと思う場所の確認調査)を行いました。階段の段差がヒザ以上あったり、木の根が露出して雨にぬれて滑りやすくなり、そこを回避してガケぎりぎりまで道が広がっていたり、色々と危なそうな場所が確認できました。午後は雨で人気の少ない3号路を、植物や鳥を見ながらゆっくりと巡視しました。「雨の日は自然の色が一段と綺麗だ」などの感想も聞かれ、久しぶりの雨の巡視を満喫できたようです。
 さて、今日の登山道調査の結果やサポレン自主巡回で報告していただいた道路や看板に関する情報は、道の簡易補修や簡易看板の設置という形で対応していきたいと思います。皆さんと一緒に歩きやすい登山道を目指した整備のために役立てて行きたいと思いますので、ご協力お願いいたします。(都レK)

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2007/04/22 シダの新葉

2007-04-22 16:51:53 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

小仏峠に向う途中、面白いものを見つけました。シダの若葉が伸び始めているところです。何という名前のシダかはわかりませんでしたが、高尾山では色々なシダを見ることが出来ます。ありふれたイノデにしろ、リョウメンシダにしろ、シダの若葉はみんな個性的で、生命の息吹に溢れているのが感じられます。新緑の季節、あまり目を向けることのないシダにも注目してみては如何でしょうか。(ただし、名前を聞かれても答えられませんが・・)  (都レK)

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2007/4/14 自主巡回 小下沢林道

2007-04-14 20:00:00 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

参加者:3名+Ⅲ・Ⅳ期生3名
コース:JR高尾駅北口~小仏~景信山~堂所山(昼食)~関場峠~小下沢林道~日影バス停~JR高尾駅

 今日は本格的な植物調査活動の為の試行として、「小下沢林道の植物調査」を行いました。将来、主に高尾山の指定植物・東京都レッドデータブック植物編・特定外来種および要注意外来種植物編の花マップ・フェノロジー作成・植生推定のための資料となるよう項目を決めた調査用紙とマップを携えての調査活動です。
 まず、小仏バス停からすぐの宝珠院にある東京都の天然記念物に指定されているカゴノキを見学、小仏峠は経由せず直接景信山へと向かった。結構、急坂で久しぶりの参加者には少し厳しかったかもしれません。しかしながら、山道らしい山道でナガバノスミレサイシンが多く目を和ませてくれました。景信山で一休みの後、堂所山に向かい山頂にて昼食。この日はよい天気で暖かく、また山頂は間伐されていて眺望が良く陣馬山や醍醐丸・生藤山などが一望できました。昼食後は関場峠へ。いよいよ植物調査の開始です!
 予定の到着時間より1時間遅れたので、調査対象は開花植物だけに限りました。ここは高尾山内よりも気温が低いのか、山内では盛りを過ぎたニリンソウ、ヤマルリソウ、ケマルバスミレなどの花々がピークを迎えているようでした。また、ミヤマキケマン、ヒトリシズカ、ラショウモンカズラなどがこれから満開となりそうに思われました。
 やはり、観察には時間がかかり、関場峠から小下沢野営場跡地までの小下沢林道の半分しかできませんでした。小下沢野営場跡地から日影バス停までは40分の案内。それを4時43分のバスに乗るべく30分で下りようと急ぎ、バス道路に出たところで後ろからバスに追い立てられながら?いや、バスの前を邪魔しながら走ってやっと間に合いました。
 小下沢林道の調査には日影から入って往復するしかないように思われます。(反省)
 参加していただいたメンバーの皆さん!お疲れ様でした。そして走らせてごめんなさい。(SR/Sak)

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2007_04_14 分身の術

2007-04-14 13:01:15 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

 山の木々の芽吹きが始まる頃、林床では小さなユリの仲間が花をつけます。チゴユリやホウチャクソウの仲間です。写真のかわいい花はチゴユリ。稚児という名の通り、茎の先端に1つの小さな花を咲かせます。秋には黒色の美味しそうな果実が1つ実ります。でも、一年に1つの果実しかつけられないというのは、少し効率が悪いと思いませんか?普通の樹や草は数十個、数百個あるいはそれ以上の果実や種子をつけます。チゴユリのように1つの果実しかつけないと、熟す前に虫に食べられたりした場合、子孫を残すことが出来ません。
 しかし心配ご無用。チゴユリは不思議な方法で確実に生き残る術を持っているのです。チゴユリの仲間は、ランナーと呼ばれる匍匐枝を数本伸ばし、その先端に芽をつけます。ランナー自体は冬には枯れてしまいますが、芽の部分は次の春まで生き残り、そこから新しく茎をのばすのです。つまり、分身の術で自分のクローンを増やしているのです。光のあまり当たらない林内で、あれだけ小さい体を維持するためには並大抵の工夫では生き残れないのでしょう。そんな不利を逆転するための植物の工夫の一つがクローンを作るという生き方なのです。クローンというときわめて珍しいもののように思えますが、植物の仲間ではクローン作成能力に長けた種類が意外と多いようです。スミレの仲間やセンボンヤリなどは、閉鎖化という自分のクローンを作るための花を咲かせます。渓谷の崖に生えるフサザクラは、萌芽幹を何本も出し、がけ崩れなどによって主幹が倒れても、他の萌芽幹が次の主幹になりかわる、という戦略をとっています。生き残る為に、植物たちもすごい努力をしているんですね。
 次に林内でチゴユリを見つけたとき、その周りをよく見まわしてください。きっと、分身の術の威力に驚くことでしょう。(都レK)

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2007/04/07 共同巡回 高尾山内+植物調査

2007-04-08 13:10:31 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

参加者:16名(うち都レンジャー2名)
コース:清滝~1号路~富士道~3号路~1号路~霞台(一次解散)~琵琶滝道~清滝(二次解散)

 今日は春爛漫の高尾山を舞台に、植物調査を行いました。登山道に沿って、芽や花をつけたり、結実した植物を記録する調査です。コースを区画に分け、花や実を付けた植物を記録していくやり方はけっこう時間がかかります。山頂で昼食の予定が霞台で昼食になり、午後は山頂まで行かずに3号路を通って霞台へ引き返すなど、予定コースを大幅変更しての調査になりました。ただし時間がかかった分、植物をしっかりと見つけることもできたようです。アスファルトで舗装された1号路にも多くの花が咲いており、「このコースは歩いたとしてもサッサと歩くことが多く、こんなに花があるとは気づかなかった」といった声も聞かれました。今日おこなった植物調査では、60種ほどの植物を記録することができました。一度に全部覚える必要はありませんが、少なくともよく見られる植物や鳥、人気のある植物や動物については、名前やその生態を勉強するようにしましょう。
 さて、この植物調査は、レンジャー主導で行っている高尾環境モニタリング調査の一環です。高尾環境モニタリング調査は、高尾山の自然環境と人間環境の経年変化を捉えるための調査です。「最近ヤマユリが減ってきた」、「昔はガビチョウは見られなかった」など高尾山の自然が変わってきたという声を聞くことがありますが、いつから減ったのか(or増えたのか)、どこで増えているのか(or減っているのか)、という疑問に対して客観的に答えられるデータはほとんどありません。このような自然の変化を捉えるために企画したのが高尾環境モニタリング調査です。この調査では、自然の変化を捉えるために、開花・結実植物調査、動物記録調査、水環境調査が行われています。また、自然を変化させる人間側の動きも捉える必要があります。そのための調査が、利用者数のカウントやアンケートによる高尾利用動態調査です。これらの調査により、高尾山の自然と利用の現状を把握し、自然保護と利用促進のバランスを取っていく上での基礎情報を収集することが、この調査の大目的です。当初この調査は自然解説員、高尾パークボランティア会、都レンジャーの三者で行ってきましたが、昨年から利用動態調査と水環境調査に高尾サポートレンジャー会が加わりました。今年からは動植物の調査にも参加して欲しいと思っています。(都レK)

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2007/04/01 共同巡回「小仏城山」

2007-04-01 09:45:00 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

参加者:10名 (うち都レンジャー2名)
コース:高尾駅北口~日影バス停~日影沢林道~小仏城山~一丁平~高尾林道~学習の歩道~高尾山頂

 今日は静岡で真夏日を記録するほどの好天に恵まれ、春爛漫の高尾山を満喫するべく、大勢の人が高尾山を訪れたようです。高尾駅北口発小仏行きのバスも2台が超満員になる混雑ぶりでした。日影でバスを降り、日影沢林道から巡回を開始しました。日影沢林道は、まさに春爛漫。ニリンソウやスミレ類が咲き乱れ、ついつい足並みも遅くなってしまいました。特にスミレの仲間は、今日だけで10種類が確認されました。アオイスミレ、ナガバノスミレサイシン、タカオスミレ、ケマルバスミレ、タチツボスミレ、エイザンスミレ、アカネスミレ、コスミレ、ニオイタチツボスミレ、ヒナスミレ。スミレ街道とも呼べるくらいの豊作でした。
 ところで、花に気をとられがちでしたが、ちゃんと巡回もしています。日影沢林道沿いで、一部ま新しい伐採跡があったのを発見(参加者のみなさん覚えてますか?)。国定公園や都立自然公園では、森林を伐採するときには許可や届出が必要です。ま新しい伐採を見つけたら報告するのもレンジャーの役割なのです。
 午後は尾根沿いの道を歩きました。クロモジ・キブシ・コブシなどの樹の花や、花が開きつつあるヒトリシズカやイカリソウなどを観察しながらの巡回になりました。
 この時期の巡回、山歩きは、どのコースを何度通っても飽きることがありません。3日もたてば同じコースを歩いても、きっと違う花との出会いがあることでしょう。ぜひこの時期に、レンジャー活動でも、個人的でも、山を楽しみにきてください。(都レK)

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