2019年4月21日(日)自主巡回 奥高尾 【一体何本あるのか? 千本ざくら調査巡回】
天候 晴れ 参加者:9名
ルート:JR高尾駅北口~(バス)~日影~八王子管理道~一丁平まき道~一丁平~北側まき道~小仏城山~一丁平~もみじ台(解散)~1号路~清滝
東京都レンジャー(高尾地区)と一緒に桜の本数調査を行いました。 登山道を左右に分け、各班一つずつのカウンターで、区間ごとの数を計測していく方法で回りました。 もみじ台から小仏城山まで、幹線の尾根道とまき道をほぼすべてを踏査しました。
丁度良い時期、天気にも恵まれた日曜日でしたので、たくさんの訪問者が行き交う中、通行の邪魔にならないように、少人数に分け、道を譲りながらの調査でしたので、時間がかかりました。 通常の巡回と違って、上から下まで桜の木肌や花や葉などに注目しながら歩きました。
調査が終了する頃には、樹木を見る眼が、桜の木肌に吸い寄せられる程でした。 小仏城山から一丁平~もみじ台分岐まで、およそ800本でした。この中には、未開花の幼樹も含まれ、登山道から遠く確認しづらい樹木や切り株は除いています。 途中、希少植物の確認・盗掘防止パトロールも兼ね植生保護ロープ標識の点検・清掃と交換を行いました。
日頃は「桜、咲いている、きれいだね!」程度にしか関心がありませんが、これだけ「サクラ」に集中して、 観察して廻ると、気がつかなかった発見や気づきがあり、調査に参加した会員からは大変だったが面白かった、定期的にやりたいとの感想が寄せられました。
街なかでは、3月下旬から4月上旬にかけて満開となった桜が、高尾山では麓から山頂まで順番に咲き、4月中旬から下旬にかけて、 高尾山頂からもみじ台、一丁平、小仏城山までのヤマザクラ、ソメイヨシノ、オオシマザクラなど4月中旬すぎまで素晴らしい景観楽しめます。 この2kmの尾根沿いの桜並木はその圧巻の景色から「千本サクラ」と言われています。
平成11年高尾山登山鉄道株式会社発行の「高尾山ガイドブック」の【山桜(千本桜)】によれば、
「山麓の桜も散り、山の木々がようやく芽吹き出す四月中旬から下旬にかけ、高尾山山頂から陣馬山、相模湖方面への ハイキングコースで、小仏城山までのおよそ二キロメートルの間で、スケールの大きな花見ができる。 昭和2年に地元の青年団によって、植えられたという山桜の大樹がおよそ200本、途中の一丁平草原には 昭和30年代に植えられたソメイヨシノが500本ほど、山麓から遅れて咲きほころび、 山の春を告げてくれる。まだまだ登山客も少ない季節、はらはらと舞う花びらの下、散策するのも妙味である。 京王電鉄では平成5年にこの付近から陣馬山まで次代の桜名所とすべく、四千本の山桜を植林している。」
巡回の途中、桜調査について質問を受けたり、千本桜への関心が高く、楽しみに来訪される登山者や公園利用者が多いことを改めて認識しました。 また、登山道のあちこちで春の植物が百花繚乱の如く咲き誇っており、舞い散った桜の薄墨色の花びらと調和していました。
巡回では、いろいろな方々とお話しし、道案内や自然解説しますが、桜の種類をはじめ多様多種の植物が開花して、 スマホで撮影した写真を見せられ、名前や特徴を聞かれることが増えました。
巡回途中で開花確認した植物(盗掘等の恐れがある希少植物は除く) タチツボスミレ、オトメスミレ、オカスミレ、マルバスミレ、エイザンスミレ、ナガバノスミレサイシン、タカオスミレ、ヒカゲスミレ、ツボスミレ、コミヤマスミレ、 ニリンソウ、イチリンソウ、ヒトリシズカ、ジュウニヒトエ、ツキバキンモンソウ、センボンヤリ、フデリンドウ、ナツトウダイ、トウゴクサバノオ、セントウソウ、 ヤマルリソウ、ネコノメソウ、ヤマネコノメソウ、ヨゴレネコノメ、ユリワサビ、カンスゲ、カントウミヤマカタバミ、ムラサキケマン、ラショウモンカズラ、セキショウ、 マルバコンロンソウ、ツルカノコソウ、フタバアオイ、カントウカンアオイ、チゴユリ、ホウチャクソウ、シャガ、ミミガタテンナンショウ、イカリソウ、コクサギ、ハナイカダなど
(記録・写真編集:川原田)