高尾サポートレンジャー会

このブログでは高尾山で活動するボランティア「高尾サポートレンジャー会」の活動についてご紹介します。

7月21日 巡回報告-裏高尾

2013-07-27 07:56:49 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

参加者:サポートレンジャー6名

コース:高尾駅北口―日影バス停~日影沢林道~八王子管理道~もみじ台南巻道~山頂VC(解散)

【コメント】

日影沢保護地内コドラートでの植生調査を終え新しく建て替えられたウッディハウスで食事の後、日影沢林道から八王子管理道ついで

もみじ台南巻道へと開花植物調査をしながら山頂VCまでの巡回を行った。もみじ台南巻道ではヤマユリのカウント調査を行った。

コドラートでの植生調査は、春先の芽生えが多い時期に比べると安定した植生を示しているのでスムースに終えることができた。行程

中の開花植物については、晩夏から秋にかけての木々や野草の開花準備が始まったため花芽や蕾を持ったものが多く見られるように

なってきた。もみじ台南巻道ではヤマユリの個体数調査を行ったが、例年より被害が少なかったのか、個体数においても開花において

も例年より多かった印象があった。

参加して頂いた皆様!お疲れ様でした。

【本日の活動内容】

1)お願い事項・・・日影沢林道入り口にて、踏み込み1件

2)道 案 内・・・八王子管理道および一丁平下にて各1件

3)もみじ台南まき道では植物保護についての意見を1件頂いた。

4)日影沢林道での路上駐車が多くなってきて、道ばたの植物の荒廃が多くなっている。

【今日の虫たち】

 

 ウスキツバメエダシャク    ヨツスジハナカミキリ     ヤマトフキバッタ     スジグロシロチョウ      セマダラコガネ     フタスジモンカゲロウ

     ザトウムシ       クロヒカゲ     アシグロツユムシ(幼体)    マミジロハエトリ       ニホントカゲ

【今日の花たち】

 

    ヤブラン       クルマバナ       ハグロソウ    アキノタムラソウ      タニタデ      ハエドクソウ

   ダイコンソウ     キツネノボタン     ユウガギク    ミヤマタニワタシ     タチガシワ      マツカゼソウ  

  イヌトウバナ     ギンレイカ(実)    ミヤマタニソバ    フジカンゾウ     ジャコウソウ      ミツモトソウ 

 キンミズヒキ   ミヤマナミキ       ヤマホトトギス   ヤマユリ        ヒメヤブラン      オカトラノオ

 

 オオバギボウシ   ノササゲ        シオデ        オオルリソウ      オトギリソウ 

                                                                      (by HN&Sak)

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6月29日 スキルアップ研修「自然観察会」-小下沢

2013-07-25 19:05:16 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

実施日時:2013年 6月29日 10時~14時

実施場所:小下沢林道 小下沢林道入り口~野営場跡の間の往復

講  師:日本植物友の会副会長 山田隆彦氏

参 加 者:TSR会員 15名  

研修の目的: 「植物や昆虫を中心とした生態を知る」ことにより自然環境の保護・保全の大切さを理解すること。および自然観察会のも

つ意味や役割、来山者に対する説明の仕方などの習得。

Ⅰ.本日の目的及び行程確認をし、講師紹介と講師挨拶。

    最近山で気になることは「① 高尾山ではミシェランガイドに登録されて以来来山者がよりいっそう増え踏圧による裸地化や土壌固結

化が懸念される。② 登山者の歩行障害にならないためにされていると思われる下草刈りは短く刈ると表土が流れやすくなる。また、今

の時期の下草刈りは秋植物が十分成長出来ず種子の成長が十分でなくなることが懸念される。③ 近年は高尾山に限らず、イノシシ、

シカ、ヒルなどの影響が大きくなってきている。」

なお、本日の観察会に関しては判らないことがあればどのような事でも、何度でもよいから質問して下さい。自然を理解するには無理矢

理覚えようとしないで周りにいる知っている人に聞くことが早道です。私も全てが判る訳ではないが持ち帰ってでも調べます。

観察については全体像を見て次いで部分の特徴を確認し同定するやり方が良いと思います。今日は一日よろしくお願いします。

 

 

Ⅱ.解説内容

 1)よく似た同士間の同定

   ①イタドリとオオイタドリ

     イタドリは葉の基部が切り形でオオイタドリは心形。他にオオイタドリは葉の裏が白っぽく草丈も人の背丈を大きく超えるものも

    ある。

   ②カラムシとアオカラムシ

     カラムシは葉の下面が綿毛が密生していて白いがアオカラムシは緑色

   ③ミズキとクマノミズキ

     ミズキの葉は互生でクマノミズキは対生。花の咲く時期はクマノミズキが1ケ月ほど遅い。

   ④ヒメジョオンとハルジョオン

     茎の中心がハルジョオンでは中空であるのに対し、ヒメジョオンでは中空ではない。また根生葉より上の葉はハルジョオンでは

    茎を抱くのに対しヒメジョオンは抱かない。

   ⑤コボタンヅルとボタンヅル

     コボタンヅルは2回3出葉で小葉は9コあるのに対し、ボタンヅルは1回3出葉で小葉は3コ。

   ⑥フジ(ノダフジ)とヤマフジ

     上方に向かってノダフジは右巻き(Z巻き)。ヤマフジは左巻き(S巻き)。

   ⑦マグワとヤマグワ

     葉での同定は難しいが、ヤマグワは花柱が長く花柱にも長い花柱が残る。

   ⑧ジャノヒゲとオオバジャノヒゲ

     ジャノヒゲは葉が細くて巾2mmしかなく、花茎は葉よりも短い。

   ⑨イタヤカエデとオニイタヤ

     小葉の切れ込みがイタヤカエデでは大きく、オニイタヤでは浅い。イタヤカエデで小葉の切れ込みが特に大きなものはエンコウ

    カエデとも呼ばれる。いずれもムクロジ科(新しい分類法ではカエデ科はムクロジ科に変更された)であるが、ムクロジ科はすべて

    対生である。

 2)名前の由来に基づく同定

   ①カラムシ

     名前の由来は茎(カラ)を蒸して皮をむくことから。昔は繊維を利用するために栽培していた。

   ②スイカズラ

     花の色は最初白く、やがて黄色になるので金銀花とも呼ばれる。

   ③ガクウツギ

     見た目はアジサイの仲間。でも茎は中空になっているのでウツギの名がある。でもやはりアジサイ科。名前の由来ははっきりし

    ないが、ガクアジサイに似たウツギという説もある。

   ④コモチマンネングサ

     葉の付け根にムカゴを付けることから。ムカゴは触れるとぽろりと落ちる。

   ⑤ハエドクソウ

     草全体に有毒成分があり煮出し汁をうじ殺しなどに利用したためという。

   ⑥タガネソウ

     鍛冶職人の使うタガネに葉の形が似ているからという。

 

  3)その他、特徴のあるものの同定

   ①イロハモミジ

     裂片をイロハ・・・と数えることから、モミジは木の葉が色づくことからくる古語「もみち」から、カエデはカエルの手から。別名のタカ

    オカエデは京都の高雄にちなんだ名前。

   ②クサノオウ

     茎は白っぽい緑で切ると黄色い乳液を出す。そのため草の黄の名がついた説と、またできものに効くので瘡の王との説がある。

   ③エノキ

     葉の根元に小さな花を咲かせる。花の後ろに球形の果実を付け、熟すと橙褐色になり食べると甘い。

   ④コクサギ

     小さな匂い木で独特の匂いをもつ。葉は2枚づつ互生するコクサギ型葉序。

   ⑤イラクサ

     茎や葉にさわると皮膚に折れ込んでくる刺毛がありかなり痛い。

   ⑥マタタビ

     花は葉の下に付き目立たないので、開花時には葉が花のように白く変化し虫に開花を知らせ受粉をするといわれる。花期が終

    わると元に戻る。

   ⑦ニガキ

     名は苦木で枝や葉に強い苦みがある。

   ⑧エイザンスミレ

     スミレ類の種子(閉鎖花も含めて)の付き方は朔果の中に3列・2列・1列に配列したものに分かれる。おおむね花の大きさに比

    例している。

   ⑨ハナイカダ

     雌雄異種のミズキ科の落葉低木。特徴は葉の中央に花が咲き、実がなる。名前の由来は花の咲く葉を筏にたとえたもの。

   ⑩ツタウルシ

     つる性の落葉藤本。名前の由来は潤液(ウルシル)または、塗汁(ヌルシル)の略されたものという。毒性が強い。秋には真っ赤

    に紅葉する。

   ⑪アカメガシワ

     葉を、食物をのせるのに使い新葉が赤いことに由来する。

   ⑫ウワミズザクラ

     古代の亀卜(亀甲占い)で溝を彫った板(波波迦)に使われたことに由来する。小枝の多くは落葉後に落ちる。枝の付け根は落ち

    やすいようにコブのような形になっている。

Ⅲ.感  想

    わずか片道30分の行程を、往復4時間かけての観察でした。この間延べ107種の植物について同定し解説して頂きました。

   先生は冒頭での挨拶通り、とても易しく簡単な言葉で丁寧かつ我慢強く解説して頂きました。

    参加者一同「とても解り易かった。しかも優しく説明して頂き、とても実のある観察会であった。これなら年2回は是非実施して欲

   しい!どこかの誰かのように“いいかげんに覚えて。いつまでも覚えられないのは覚える気がないからだ。次同じ質問をしたら解説

   料を取るからね。“といった気配を全く感じさせること無く親切かつ紳士的であった。

    観察中はずっとしゃべり続け!かなりお疲れになったのではないかと心配しました。

   本当に有り難うございました。

                                                                                    以 上(By Sak)

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2013/07/13(土) 自主巡回 奥高尾

2013-07-18 10:21:21 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

2013/07/13(土) 自主巡回 奥高尾
◆コース:高尾駅北口---小仏バス停~景信山~小仏城山~一丁平~高尾山頂~清滝駅前
  行程 : 約11.5Km / 約6.5H
◆参加者:10名
◆天候: 曇り時々晴れ
 

 梅雨が明けてから1週間がすぎ、連日猛暑が続く。高尾駅北口でバスを待つ間に
もう汗が出てくる。予定の9:12発小仏行きバスには珍しく全員が座れた。

小仏バス停でミーティングと体操で体をほぐす。久しぶりに見るトイレが、きれいに改装されておりひと安心。
・9:40 2班編成でバス停を出発し、途中、「宝珠寺」に立ち寄り「小仏のカゴノキ」の勉強。
 「カゴノキ」:クスノキ科 鹿の子模様に見立てたもので、四国の瀬戸内海側では多くみられる。

   

・10:05 景信山登山口に入る。ここから景信山まで1時間はかかりそう。熱中症に気をつけ
 進む。 途中、「わき道」が多く見受けられ、2カ所を危険防止のため、落木、枯れ枝を集め道を塞ぐ。

・10:55 小下沢分岐地点に到着。管理番号(122-050)の案内板を固定している2本の
 ボルトの内1本のナットが無くなっている。その柱にはホタルが静かに止まっていた。

      

                   ・直径20センチはありそうな大きな「ニワタケ」 にお目にかかる。    

                                                                                         
・流れる汗が眼に滲みる。首に巻いたタオルが濡れる。背中もズボンも。
 11:17 景信山(727m)に着き、早速水分補給していると後続班(自然観察)も到着。 持ってきた水500mlが無くなり茶屋で1本(¥200)で水を補充する人も。 この時期1000ml以上は必要か---。

    

・心地良い風が通る小仏峠を超え、小仏茶屋に着いたのが12:10。

 ここは毎年”忘年(望年)登山で煮込みうどんをする所。今日は昼食に特別に持参した冷えたキュウリとノカンゾウの酢漬けで全員が生気を取り戻す。ここの気温は28℃、下界より5~6℃低いか。 ベンチの座板が壊れているのが何か所かあった。早めの修理が必要だ。

・13:10 小仏城山の頂上は賑わっていた。トイレの水の出が悪いのが気になったが(水圧の関係か)、出るだけ良い。

今日の集合写真。

・城山からもみじ台までの間で、土砂で埋まった「水切り溝」が多く見受けられた(20ケ所)。
 取り敢えず2ヶ所は手持ちの道具で簡易的に土砂を取り除く。

・14:18 高尾山頂も城山に負けず賑わいを見せていた。残念ながら”世界文化遺産”は眺められず。

・下りはふじ道から薬王院横を抜け(15:30)、ビアマウントの長~い待ち行列を横目でみて、通称「ガラガラ道」 から清滝駅へ。途中これから登る20代男女数名に出合い、足元の良くない履物を優しく注意する。
 雨がポツポツ降ってきました。

   

・16:00 清滝駅まで今日の巡回で気づいた点をまとめ解散。 
  汗に濡れたシャツを暑いトイレ内で着替えて帰る人もあり。みなさんお暑い中、お疲れさまでした。
 
                     (by RS)
        
 
   ☆ 今日の植物/蝶 ☆ (自然観察班、他 提供)

     

ヤマホタルブクロ         キキョウ              アジサイ          

     

アサギマダラ/オカトラノオ    ウツボグサ         ジャノヒゲ

 

     

ヤマユリ           タカトウダイ          ノイバラ

                               

   ヤマホトトギス                  ブナの実

 

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2013/07/03 自主巡回 北高尾

2013-07-13 19:38:38 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

                    

<colgroup> <col width="516" /></colgroup>
コ ー ス :JR高尾駅(集合)~霊園前~八王子城址~富士見台~
      狐塚~木下沢広場~摺差~(バス)~JR高尾駅(解散)
 
天  気 :曇り
参 加 者:6名
 
梅雨のさ中の巡回。 天気は、曇り午後から雨・気温は高く27℃位まで上
がる、との予報。 こんな日の巡回とは、ヴォランティアも大変だ。
登録された参 加 メンバーは集合時刻前に全員集まったので、少々早いが
バスで出発した。 乗ってから気が付いたが、登録してないが飛び入りで参
加する人もたまにいる。 一応時間まで待った方が良かったのか?
まぁ、雨かも知れない暑い日に、そんな奇特な人はいない、と勝手に決め
た。
バス停から城址登り口まで、フラットな道路を10数分歩いただけで汗ビッショリ
になる。 しかし、これで覚悟ができた。 
今日は水が美味いぞ! この日ならではの巡回が出来るぞ?
 
花の開花や芽吹きのころ、新しい季節を感じようと山を歩いたのはつい
この間だったのに、森も林床も今はすっかり色濃い緑だ。
そんな緑を背景に使って、オカトラノオが白い花穂をひときわ目立たせて点々
と咲いている。
 
巡回コースは up down の多い、八王子城址から堂所山まで繋がる縦走路
の一部を行く。 今日は狐塚から縦走路を離れ木下沢に下りる。 
狐塚までは登り下りの繰り返し、喘ぎながら、登りが終わってホットする。
 
狐塚近くになって、尾根道を塞ぐように横たわった倒木があった。
跨いでも、避けても通ることはできるが、邪魔ではある。 切り離し除去。
 
木下沢の広場に着くと5~6人の女性のグループ休んでいた。
話しかけると、高尾から景信経由で下りて来たとの事、健脚さん達だ。
これからも大いに高尾を歩いて、楽しんで下さい、ただし今日のように平日
が空いていて、静かでお勧めです。 とお勧めしたのかお願いしたのか。
 
日影バス停に向かう途中でバスに抜かれた。
しまった、午後の時間帯によっては、1時間に2本もバスがあることを忘れ
ていた。 もう少し先まで歩こうかと誰かが言い、結局摺差まで歩く。
バスを待つ間、簡単にミーティンク。 暑い中お疲れ様でした。
豆腐屋を覘いたり、一服していると雨が降り出した。   (t.abe)

 

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2013/07/07 共同活動 アライグマ痕跡調査

2013-07-09 14:52:12 | 2006~2018年度リンク 高尾山 活動&情報

参加者10名(うち都レンジャー5名)

今回のアライグマ調査は小峰ビジターからスタートし、北は秋川街道、南は陣馬街道周辺の寺社を車で移動しながら痕跡の調査を行いました。

3班に分かれて計22か所の寺社を巡りましたが、半数ほどの寺社で5本指の爪痕が確認されました。痕跡のよく似たハクビシンとの区別となる指の幅を計測したところ、5cmを超える大型(アライグマの可能性が高い)の爪痕もありました。

聞き取り調査では「アライグマ」という単語は出てきませんでしたが、ハクビシンやムササビといった家

屋を住処とする動物の情報が得られました。

参加者の皆さんも目が肥えてきたようで、即座に爪痕を発見できるようになってきました。高尾でのアライグマの調査は一段落となりますが、他の活動の際やお住まいの近辺など意識して見てみると似たような痕跡があるかもしれません。

猛暑の中、参加された皆様、ありがとうございました。

8月3日にはニホンジカの痕跡調査を予定しています。シカも今や自然公園にとって脅威となりうる存在です。高尾山域にどこまで迫ってきているのか知る必要があります。興味のある方は是非ご参加ください。

(都レンジャー/田邉)

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